2014 Fiscal Year Annual Research Report
ニコチン刺激下にて各種インプラント表面性状が破骨細胞に与える影響
Project/Area Number |
25861894
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
油井 知雄 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (80548438)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / smooth基質 / Groove基質 / micro-box / TRAP染色 / SEM / Pyk2 |
Outline of Annual Research Achievements |
H25は破骨細胞の培養に用いた基質はコントロールには滑沢なsmooth基質とし、他に各種のGroove基質を用いた。①不規則で粗い溝が一定方向に付与された深さ0.2-0.4μmのmicro-achieved(micro) ② 1μmの溝、2μmのridge、深さ1.5μm(narrow)③ 2μmの溝、4μmのridge、深さ1.5μm(wide)の3種類とした。これらに細胞動態に有意な差を与えるために2種類の基質をブリティッシュコロンビア大学の Dr.Brunette らの方法に従い、④ブラストエッチング処理(SLA)⑤Micro-Gap を有するBox型(micro-box)を対象とし、研究計画に追加した。細胞の培養条件は破骨前駆細胞(RAW264.7)を10%FBS、1%ペニシリンとストレプトマイシン添加のD-MEM培地で100mmのディッシュに4×105個を播種した。細胞増殖後に1×104個を6ウェルプレートに播種し、50ng/mlのrmRANKL、50ng/mlのM-CSFの存在下で7日間培養し、破骨細胞に分化、促進させた。なおニコチン濃度は培養上清に(0、10-5、10-4、10-3M)で添加、刺激した。破骨細胞分化の確認はTRAP染色し、光学顕微鏡で観察した。各種ニコチン濃度において①~③の基質において紫色の多核を有するTRAP陽性反応の巨細胞を確認した。H26は細胞の表面形態、微細構造を観察するために培養から5日、7日後に走査形電子顕微鏡(SEM)にて各基質上の細胞を観察、撮影した。各種ニコチン濃度における①~③のGroove基質上では細胞の配列はgrooveと平行方向に楕円形を呈したものが多く,ニコチンの濃度による影響は見受けられなかった。なお細胞周辺部のfilopodiaはsmooth基質上の細胞に比べて多い傾向にあった。さらにSmooth基質と①~③のgroove基質上の細胞でのfocal contactの形成への影響を検索するためにproline-rich tyrosine kinase 2(Pyk2)の mRNAの発現を定量的RT-PCR法を培養7日目に行ったが、これもニコチンの濃度による影響は見受けられなかった。④と⑤の基質の検討は今後の検討課題とした。
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