2014 Fiscal Year Annual Research Report
bFGF徐放化HA/ゼラチン複合体と熱可塑性メンブレンとの新規骨誘導再生法
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25861900
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
浅野 一成 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (10632531)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨誘導再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでリン酸三カルシウム(β-TCP)とゼラチンハイドロゲルとの複合体化に成功し、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の徐放による骨再生促進について報告してきた。しかし、β-TCPは生体内で吸収するため、個体差による新生骨の形成量にバラつきが大きく、コントロールすることが困難であった。そこで本研究では、β-TCPから非吸収性で歯科適応されているハイドロキシアパタイト(HA)顆粒に変更して、さらに代表者らが開発した熱可塑性のGBR用メンブレンを併用し新規治療法を開発した。平成25年度は、HA/ゼラチン複合体の材料学的検討作製した複合体の表面構造を走査型顕微鏡で観察し、両複合体ともに約250μmの細胞が遊走・接着・増殖可能な十分な気孔が確認できた。機械的強度の測定はオートグラフを使用し圧縮強度を測定し、両複合体ともに約1.0MPaであり、膨潤状態でも形態を維持することが可能であった。また、三次元培養により、細胞接着能、細胞増殖能はbFGFの徐放により有意に高い値を示し、骨分化能はbFGFの徐放がない群が高い値を示したが、顆粒間での差はネオボーンと比較してアパセラム-AXの方が高い値を示した。以上の結果から平成26年度は、ウサギ尺骨20mm欠損モデルを使用し骨形成効果の評価をおこなった。両複合体ともにbFGFの徐放群がPBS群と比較して骨形成効果が高く、またHA顆粒の表面形状が新生骨量に影響し、アパセラム-AXの方が高い値を示した。本研究により、骨欠損部に填入された複合体は優れた足場としてだけでなく、細胞増殖因子の徐放担体として機能することで、機能的な自家骨の再生を誘導し、失われた骨組織の再構築が期待される。
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