2013 Fiscal Year Research-status Report
感染制御材料の開発を目指したペリクルタンパク質吸着特性のQCMナノ解析
Project/Area Number |
25861902
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
吉田 英史 鶴見大学, 歯学部, 助教 (30410054)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 歯科材料 / タンパク吸着 |
Research Abstract |
近年、インプラント材料に代表されるように様々な生体材料が口腔内で使用されている。口腔内は、細菌がバイオフィルムを形成し、齲蝕や歯周病のみならず生体内に大きな影響を与えることが知られている。一方、口腔内は唾液による生体防御機能があり、数種類の抗菌性タンパク質を有し予防している。本研究では、口腔内で用いられる生体材料と細菌の接着性について、バイオフィルム抑制材料の基礎研究を行った。平成25年度において、生体材料に用いられているチタンおよび高結晶ハイドロキシアパタイトのバイオフィルム形成の違いについて人工口腔装置を用い検討を行った。これにより、バイオフィルム形成は材料の性質のみならず表面性状によりに大きく影響を受けることが明らかとなった(Biofilm Bormation on Titanium and Hydroxyapatite Surface using Artificial Mouth System. E. Yoshida, S. Imai, N. Hanada and T. Hayakawa. Journal of Hard Tissue Biology. 22: 419 -424 2013)。さらに基礎的研究として、水晶発振子マイクロバランス法を用いて、金、シリカ、チタンに対するペリクルタンパク質の吸着について検討を行った。タンパクの種類により各材料に対する吸着量が違うことがわかった (Adsorption study of pellicle proteins to gold, silica and titanium by quartz crystal microbalance method. E. Yoshida, T. Hayakawa. Dent Mater J. 30;32:883-7. 2013.)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水晶発振子マイクロバランス法の条件出しがほぼ終了し、評価方法の確立が出来た。さらには原子間力顕微鏡を用いて材料およびタンパク質の違いを評価することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、平成25年度において、生体材料に用いられているチタンおよび高結晶ハイドロキシアパタイトのバイオフィルム形成の違いについて人工口腔装置を用い検討を行った。さらに基礎的研究として、水晶発振子マイクロバランス法を用いて、金、シリカ、チタンに対するペリクルタンパク質の吸着について考察を行った。平成26年度は細菌表層タンパク質を用い、抗菌性タンパク質の吸着挙動を明らかにする予定である。さらには原子間力顕微鏡を用い、微細形態学見地より吸着形態について考察を行う。 研究成果は、日本歯科理工学会などの関連学会で発表・投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では水晶発振子マイクロバランス法(QCM)を用いてタンパク吸着のメカニズムの解明を行っている。その際、水晶を基板としたセンサーを用いる。そのセンサーの入手が困難な状態に陥いり、予定のセンサーを購入出来なかった。 次年度使用額について、繰り越された助成金はQCMセンサーの追加購入費に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)