2014 Fiscal Year Research-status Report
なぜ長期経過観察後にも頸部リンパ節転移は生じるのか
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25861915
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
高橋 謙一郎 東邦大学, 医学部, 助教 (90613604)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 頸部リンパ節転移 / SNPsアレイ / 転移時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌において後発頸部リンパ節転移の生じるまでの期間は症例により様々であるため経過観察期間や予防的化学療法の長期化、ひいては医療コストの増大の一因となっている。本研究の目的は、一次治療終了後に長期間経過してから生じる頸部リンパ節転移症例を予め予測する因子を解明するため、SNPsアレイを応用して網羅的CNV/LOH 解析を行い、このような症例の癌細胞が比較的早期に転移するものと比べて遺伝学的にどう異なるのか、転移時間の差異が生じるメカニズムを明らかにすることである。 研究初年度である平成25年度は、舌癌症例のうち長期経過後頸部転移症例(実験群)と早期転移症例(対象群)のパラフィン包埋ホルマリン固定標本からDNAを抽出し、新規開発された市販のSNPsアレイを用いて網羅的なCNVの比較調査を行った。 平成26年度には得られた知見の解析をすすめ、その一部を第33回口腔腫瘍学会総会・学術集会において発表し、優秀ポスター賞を受賞した。研究最終年度である平成27年度には、研究総括として国際学会となる第39回日本頭頸部癌学会・第4回アジア頭頸部癌学会において発表予定。またその内容を論文発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度末までに①:実験群、対照群の症例の選択、②:FFPE 標本からのDNA 抽出、③:SNPsアレイによるCNV解析と候補因子の抽出までをほぼ完了したが、平成26年10月より所属研究機関の異動があったため、解析作業の一部に遅れが生じ、当初予定の平成26年度中の研究完了が果たせず、期間延長を申請した。 実験データの信頼性については当初より再現性の高いデータが得られており、現時点で実験方法の再検討を要するなど、実験計画の進捗に支障を及ぼす問題は生じていない。 また、資材の調達も現在は予定通り行えており、本研究は平成27年度中に完了する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの未達項目を早期に達成し、平成27年度の研究計画である、④:抽出された因子の免疫染色と定量PCR 法による発現量評価と相関関係の検討と、⑤:④で仮定した閾値が別の症例で当てはまるかを評価する。
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Causes of Carryover |
平成26年10月より所属研究機関を異動したため、研究体制を整備するのに時間を要した。このため、当該年度中の研究完了が果たせず、未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度使用計画に準じる。 実験機材・資料の購入に約75万円と学会発表のための旅費および論文作成に25万円程度使用する見込みである。
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