2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861935
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平岡 慎一郎 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70615616)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 栄養 / 免疫 |
Research Abstract |
口腔悪性腫瘍は治療経過中に経口摂取困難による低栄養状態を来すことが多い。近年、EPA(Eicosapentaenoic acid)に代表されるω-3多価不飽和脂肪酸(ω-3 PUFA)を周術期に摂取し栄養状態を改善させることが、治療成績にも関与する可能性について報告されているが、詳細なメカニズムに対しては解明されていない。申請者らは以前に、口腔癌術後患者にEPA強化栄養剤を投与したところ、体重減少の抑制や栄養学的指標の改善があったことを報告している。それと同時に生体内でのリンパ球数の増加が起こる可能性を見いだしたため、本研究は、EPA摂取と関連した生体内での免疫学的な反応を検討するとともに、口腔癌の治療成績向上を目的とした免疫栄養療法の臨床的確立を目的とする。 EPA はω-3 系脂肪酸の一つであり、主にその代謝産物であるリゾルビンやアラキドン酸と競合し、低炎症性エイコサノイドを産生することにより、IL-6やTNF-αといった炎症性サイトカインの産生を抑制し、過剰な炎症反応を抑えそれによる低栄養状態を改善させると報告されている。 本研究では、それらを検証するために、まずは口腔癌患者へのEPA投与によって、実際にリンパ球が誘導増強されうるのか否か、また誘導増強されうるのであれば、その細胞分画を詳しく検証する必要がある。さらに動物モデルにおいて、EPA投与により誘導された免疫細胞は、口腔癌に対する抗腫瘍免疫応答動態に関与するのかについて検討を行い、臨床的なEPAの至適投与量についても検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔癌患者へのEPA投与によって、リンパ球数が増加する傾向はあるが、病状病態および個人差によってデータが安定しないことと、動物モデルにおいてリンパ球の細胞分画の詳細な検討が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔癌患者へのEPA投与によって、リンパ球数が増加する傾向はあるが、病状および個人差によってデータが安定しないため、検証が若干遅れている。そのため呼気ガス分析装置を導入し、必要栄養量や代謝率を測定することにより、EPAの至適投与量を検討し、はEPA投与による臨床効果に対する検討をすすめて行く。その後に動物モデルを用い誘導されたリンパ球を含めた免疫担当細胞について詳細な検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
口腔癌周術期においてEPAの至適投与量を検討するため、呼気ガス分析装置(間接代謝熱量計)を購入したが、予想された金額より若干安価で購入出来たことと、一部の使用する試薬がすでに保持していいるもので対応出来たため。 当初の実験計画に沿って研究をすすめて行くが、繰り越し分は、論文投稿費用および研究成果発表のための旅費に加える予定である。
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Research Products
(6 results)