2014 Fiscal Year Research-status Report
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25861935
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平岡 慎一郎 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70615616)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 栄養 / 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌患者に対して、EPA強化栄養剤を用いた周術期栄養療法の効果を確認するために、至適栄養量を検討する必要が生じた。そのため前年度に、間接熱量計(呼気ガス分析装置、FIT2100)を購入し、検討を開始した。方法としては、当科を受診した口腔癌一次症例のうち、腫瘍切除術と血管柄付き遊離皮弁移植による再建術を同時に実施し、間接熱量計による栄養評価が可能であった口腔癌患者を対象とした。術前に間接熱量計を用いてRMR(安静時代謝率)を測定し、当科で従来から実施しているHarris-Benedictの式より算出された栄養所要量との比較を行い、実際の投与栄養量と各種栄養学的指標との関連性を検討した。 結果としては術前に測定したRMRがHarris-Benedictの予測式より算出した栄養所要量よりも高値となる傾向があった。栄養充足率の向上に伴い体重減少率も減少した。しかしながら、 RMRとHarris-Benedictの予測式による栄養所要量のどちらが実臨床に即しているかは、統計学的には明らかには出来なかった。しかしながらプレアルブミン値に関しては、RMRによる栄養所要量を基準とした方が良い可能性が示唆された。以上の報告を、第33回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会にて発表し、優秀ポスター賞を受賞した。また口腔内カメラおよび光源を用いて周術期栄養療法が創部治癒に関係するかも観察し検討を行っている。一方in vitroで行っているEPA強化栄養による抗腫瘍免疫応答動態の探索については、現在も確立に向けて研究中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
周術期の至適栄養量の検討については順調であるが、超低温冷却装置の故障により、免疫応答動態を測定するためのターゲットとなるマウス由来の培養細胞株等を一端破棄することとなった。このため研究が遅延していたが、再セットアップを行い、研究を続行している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、口腔癌周術期の至適栄養量の測定に関しては、症例数を増加させ継続し、適切な必要栄養量等の確定を計っていく。in vitroで行っているEPA強化栄養による抗腫瘍免疫応答動態の探索については、強化栄養療法によってCTLの誘導増強が可能か否か検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
超低温エリ客装置の故障により、免疫応答動態を測定するためのターゲットとなるマウス由来の培養細胞株および、サイトカイン測定用の薬剤を一端破棄することとなった。そのため研究が遅延していたが、現在再度セットアップし研究を続行している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の続行の為と、研究をまとめ論文投稿の際に発生する、英文校正料および、投稿料、掲載料に使用するとともに、国際学会での発表のための旅費に充てる予定である。
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Research Products
(6 results)