2013 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌新規治療法の確立~サイトケラチン17発現機序の検索~
Project/Area Number |
25861955
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北村 亮二 九州大学, 大学病院, その他 (60637338)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | サイトケラチン17 / サイトケラチン13 / 口腔扁平上皮癌 |
Research Abstract |
今年度は、主に口腔扁平上皮癌(OSCC)患者から血液を採取し末梢血単核球からサイトケラチン(CK)17、19、20の検出の有無を検索した。検出方法はreal-time PCR法を用いた。結果はlate T2 症例において末梢血を検索するとCK17が最も発現しており、OSCCの診断に用いることが可能であることが示唆された。また、CK19も75%発現しており従来の報告の様に診断因子として利用可能である事が考えられた。OSCC症例全体を経時的に観察すると、末梢血中のCK17発現量は、放射線化学療法を行うことで減少し、術前と比較すると術後のCK17発現量も減少することが分かった。術後1ヶ月の末梢血CK17発現量は、初診時のCK17発現量と比較すると予後良好症例では減少していたが、一方の予後不良症例では増加していたことから、CK17が予後の判定に利用できることが示唆された。 今年度の研究では、従来の研究同様CK19が予後の判定に利用可能であることが示唆された。しかし、以前のわれわれの研究ではOSCCにおいて最も発現量が多いのはCK17であり、OSCCの診断や予後因子として利用可能であることを報告した。術前の末梢血単核球中CK17発現量と比較し、術後に末梢血単核球中のCK17発現量が減った症例は、増えた症例よりoverall survivalの確率が有意に高かった。したがって、末梢血中のCK17はOSCC由来である可能性が高く、予後不良例では術後発現量が上がっているためOSCCの予後因子として CK17は非常に有用であることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OSCC患者からのサンプル採取が順調に行なわれており、実験もその都度行なっている。今の所当初考えていた結果と近いものが出ており研究自体順調である。しかし、in vitroでの実験が準備段階で滞っており計画以上の進展はしていないのが現状である。今年度準備していた実験をすぐに行なえるよう計画して行く。
|
Strategy for Future Research Activity |
in vitroでの実験を中心に実験を進めて行く。仮に思い通りの結果が得られなかった場合は、現在計画通りに進行している末梢血の実験を主に行なっていく。OSCC細胞株をマウスに移植し血中のサイトケラチンの変化を調べる実験も計画している。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に論文投稿費が必要となることを予想し5万円準備していた。しかし、実際には20万円必要であったため、次年度の予算と合わせて支払う事とした。 まず、投稿費を支払う。その後学会費や海外渡航費の予算として使用する。
|
Research Products
(3 results)