2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌新規治療法の確立~サイトケラチン17発現機序の検索~
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25861955
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北村 亮二 九州大学, 大学病院, その他 (60637338)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | サイトケラチン17 / 口腔扁平上皮癌 / 末梢血 / 腫瘍マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
サイトケラチン(Cytokeratin; CK)は細胞骨格を形成する蛋白である。申請者らは高分化型口腔扁平上皮癌(Oral squamous cell carcinoma; OSCC)細胞がCK17を高頻度に発現し、正常細胞がCK17を発現せずCK13を発現することを見出した。このことから、CK17は、正常組織が癌化する際に発現し、OSCCにおいて特異的であることが考えられる。そこで本研究の目的は、まず遺伝子レベルでのCK17の発現機序を検索しOSCC発生のメカニズムをin vitroにおいて解明することである。次に、OSCCに特異的なCK17と上皮幹細胞のマーカーであるΔNp63を用いて癌幹細胞(Cancer stem cell; CSC)の同定を行うことである。 まず、OSCC原発巣にCK17が高発現していることから末梢血中にCK17が発現してないか検索した。当院の患者19名から末梢血を採取したところ、全員の末梢血からCK17が発現していることが分かった。さらに、予後良好群と予後不良群に分けて術前、術後のCK17発現量を比較すると、予後不良群の方が有意に術後のCK17発現量が増加していた。以上から術前、術後のCK17の増減を検索する事で予後が分かり、CK17を予後因子として使用できる可能性があることが明らかとなった。さらに、症例を増やす事でCK17を腫瘍マーカーとして使用できる可能性も考えられた。以上の結果は論文作成し投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroでの研究はやや遅れているが、in vivoでの研究は結果が出ており一部論文が完成している。近々投稿できるためおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
一部結果がでていることから、論文や学会発表を行なう。交通費、論文投稿等で予算が使用されるため計画的に発表し、実験用具が不足しないよう注意する。
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Causes of Carryover |
論文の投稿費として保管していたが、論文作成が滞っており 提出していないためその分を次年度使用額とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の早い段階で論文を投稿し、残った額で学会費用や追加実験の費用にあてる。
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Research Products
(1 results)