2014 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症の病態形成に対するアクチビンの関与と治療への応用
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25861970
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
三次 翔 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00636920)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アクチビン / 軟骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクチビンはTGF-βファミリーに属するサイトカインで、様々な組織で発現が認められ、細胞種に応じた分化を調節している。軟骨にも強い発現を認めるが、その生物学的作用については不明な点が多い。申請者らは、アクチビンを前軟骨細胞に作用させたところ、JNKならびにAktシグナルを介してSox9の遺伝子発現が低下し、軟骨細胞分化が抑制されることを明らかにした。この結果から、アクチビンは軟骨細胞の分化に抑制的に働き、肥大軟骨細胞への分化の過剰な亢進を制御する可能性が示唆され、顎関節の軟骨細胞の過剰な分化、骨形成によって生じる変形性顎関節症に対してアクチビンが抑制的に作用している可能性が考えられた。 本研究では、顎関節症の病態で早期から変化が認められる滑膜に着目し、アクチビンの影響を分子生物学的に解析することを目的とした。実際の顎関節患者の顎関節滑膜からの細胞回収が望ましかったが、採取が困難であったため、マウスの頭蓋骨膜を採取し器官培養した細胞を使用した。回収した骨膜由来細胞にアクチビンを作用させたところ、軟骨分化マーカーであるコラーゲンⅡ型とSox9の遺伝子発現レベルの低下が認められた。このことからアクチビンは骨膜由来細胞のような骨・軟骨分化能を有する未分化な細胞に対して軟骨分化を抑制する作用を示すことが示唆された。
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Research Products
(1 results)