2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌頸部リンパ節転移に対するCOX-2・TAMをターゲットにした新たな治療戦略
Project/Area Number |
25861978
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
河野 通秀 東京医科大学, 医学部, 助教 (00421066)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 頸部リンパ節転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、口腔扁平上皮癌の頸部リンパ節転移に対する新たな治療戦略を確立するためにCOX-2および腫瘍関連マクロファージ(TAM)を介したVEGF-C,D/VEGFR-3シグナル発現経路の解析と、COX-2とTAMを抑制することによるリンパ管新生・リンパ節転移の抑制効果について検証することである。 本年度は、in-vitroの実験手法を用いて、COX-2発現を介したVEGF-C発現経路を解析するため、ヒト口腔扁平上皮癌細胞株であるHSC-2とHSC-3を購入し、培養実験を開始した。各細胞株にLPS刺激によるCOX-2およびVEGF-C発現量の検討した。また、PGE2受容体を遮断し、VEGF-C発現量との関係を検討し、その発現経路について検討している。現在、COX-2阻害薬を用いた発現抑制時の追加実験およびデータ解析中である。 また、口腔扁平上皮癌における腫瘍関連マクロファージの発現について検討するため、手術切除検体を用いてCD163、CD68、の免疫組織化学染色を行った。M2マクロファージ(腫瘍関連マクロファージ)のマーカーであるCD163は、腫瘍浸潤部での発現が強い傾向にあり、腫瘍内にも発現を認める症例もあった。また、リンパ節転移症例でその発現率が高い傾向にあり、リンパ節転移との関連性が示唆された。現在、臨床病理学的因子との関連性や発現率と予後について検証するため、詳細な統計解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、ヒト口腔扁平上皮癌細胞株を用いたin vitro実験系を開始している。また、口腔扁平上皮癌における腫瘍関連マクロファージの局在等を検討するため、 臨床検体に免疫組織化学染色を施行し検証している。in-vitro実験は、追加実験をおこなっていること解析等に時間を要していることで,やや遅れている。免疫組織化学染色の解析は、解析部位や解析方法を変えて検証しているため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度の詳細な統計解析処理を行い、必要であれば追加実験を行う予定である。また、in-vivo実験系として、担癌マウスを作成しCOX-2および腫瘍関連マクロファージの発現を抑制することにより、VEGF-C発現およびリンパ管新生の抑制効果およびリンパ節転移の抑制効果について、検証する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、実験施設共有の試薬等を使用したこと、実験計画よりやや遅れが生じていることにより、使用予定金額に満たなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、追加実験のための試薬購入や解析機器の購入およびin-vivo実験遂行のための実験動物の購入や飼育費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)