2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861985
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
和気 昌弘 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (70634202)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 進行性下顎頭吸収 |
Research Abstract |
本研究は,進行性下顎頭吸収(Progressive Condylar Resorption: PCR)病態発現のメカニズムを解明し,診断・治療法の基礎となるデータベースを作成することを目的としたものである.当該年度に実施した項目としては下記に列挙するものとなる. 1)患者背景調査・臨床所見の記録・関係各科との治療方針についてのディスカッションを行った. 現在18例の患者に対し研究についての説明を行い同意を得た. また,年齢,性別,既往歴,現病歴,現症(全身,局所)についての詳細な調査を行い,また,MRI 撮影,印象採得を行い骨変形や関節円板の転移・関節液の貯留の有無,顎位の変化や咬合状態の変遷について経時的な臨床所見を記録した.年齢層については20歳代~60歳代までの多岐に渡り,そのほぼ全例において関節円板の転位が認められた. 2)検体採取:対象患者の末梢血を採取し,検体とした.得られた検体は4℃ 400g 10min 遠心を行い,タンパクの変性を防ぐため解析に供するまで-80℃にて冷凍保存を行った. 3)検体解析:末梢血から得られた血清の解析を行った. 結果,PCR罹患患者の血清NtxとP1NPの比率は明らかに上昇しており,画像所見上では骨吸収が認められなくなっていたとしても何らかの骨代謝異常がある可能性が示唆された. 現在上記のこれらの臨床データおよび検体解析の結果についての分析を行を行っており,PCR におけるデータベースの作成中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的はPCR 病態発現メカニズムを解明するために臨床データや検体の解析を行い, 診断・治療法の基礎となるデータベースを作成することである. 現在までの進行状況としては, おおむね申請時の研究計画通りに進行している. 症例数については目標とする症例数にまではまだ届かないものの, 同意を得た18例からは臨床データやCT, MRI等の画像データの収集・記録を経時的に行っており, 血清についての解析も並行して開始している.また, 症例の集積については予定通り継続しており, PCRデータベースの作成においてはおおむね順調な進行状況と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
進行状況としてはおおむね良好なので, 大きな計画の変更は現時点では行わないものとする. 現在は症例数が予定に満たないので症例数の獲得が急務であり, 研究協力病院とのディスカッションおよび紹介の促進やパンフレットの作成等受け入れ体制の更なる充実化を図り, 引き続き更なる症例の集積を行う. また, 患者背景調査や画像データ等の臨床所見の経時的な記録, 検体採取・検体解析も継続して行いデータベースの早急な構築を目指す. 成果発表のための学会発表および論文作成の準備を開始する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
症例数の集積がやや遅れており,その分の検体収集・解析にかかる費用が想定を下回っていたため. 引き続き症例数の集積・検体採取・検体解析を行う事で使用する.
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