2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861985
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
和気 昌弘 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (70634202)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 下顎頭吸収 / 二次性開咬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,進行性下顎頭吸収(Progressive Condylar Resorption: PCR)病態発現のメカニズム臨床的見地および分子生物学的見地の双方向より解析する事で診断・治療法の基礎となるデータベースを作成し、その成果からPCR の早期診断・治療法の開発を行う事を目的としている.PCR罹患患者に対しCTやMRI,シンチグラフィ等の各種画像検査と,骨代謝マーカー(NTX,IntactPINP,BAP,OC等)に対する血液検査の結果の分析を行った. 血液検査結果については基準値との対比と,全身的な骨代謝疾患等が無い健常なボランティアとの対比を行った. その結果,当方の結果ではIntactPINP,BAP,OC等では有意な差は認められなかったが血清中のNTX濃度については骨吸収の進行期の是非を問わず有意に高値を示す結果となった.この事から血清中のNTX濃度を測定する事で進行性下顎頭吸収発現に対するリスクの評価を行えるという可能性が示唆されており,本研究の目的としていたPCR早期発見に寄与するバイオマーカーの検索については一定の成果を得られたと考える.画像所見においては,明確な進行期と考えられる症例数が極少数であった為画一的な評価とは言い難いが,骨シンチグラフィの結果では,進行期においては進行側に高度の反応像が認められており,進行期・非進行期の評価に有用な方法と考えられる.また,進行性下顎頭吸収の本態である骨吸収について着目し,骨吸収のメカニズムの分析をするために,研究協力者の熊谷らと共に変形性顎関節症のモデルマウスについての有用性を検証し,共著者として論文投稿(現在印刷中)を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的はPCRの早期診断・治療に寄与する因子の模索であり,PCR早期発見・診断に寄与するバイオマーカーの検索については一定の成果は得られているが,もう一つの目的である治療法に寄与する因子の検索についてはいまだ十分とは言えず,そのために必要なデータベースを構築するには骨吸収の進行期と非進行期,いずれの場合も必要と考える.現時点では特に進行期と考えられる症例が少数にとどまっており,若干の遅滞を呈している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続きデータベース設立のためのサンプル収集・特に進行期のサンプルについての収集を行う.更なるサンプル収集のために,口腔外科外来に本研究のパンフレットを継続して常備し,医業者側,患者側双方からの更なる理解と協力の獲得に努める. 平成27年度も継続したサンプル収集を行い,引き続きPCRの早期診断・治療に有用な因子の検索を行う.現時点で得られているデータについては学会発表および論文発表による成果発表を行う.
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Causes of Carryover |
解析項目については充実化が図れたが,サンプル収集・特に進行期のサンプル収集に苦慮しており、予定よりもサンプル数が少なかった事が直接的な原因と考えられる.現有サンプルの解析項目については十分に行えているが,前述のサンプル数の不足による解析数の不足や,成果発表についても27年度(共著論文は5月時点で印刷中,学会発表は7月予定)に繰り越しているため次年度使用額が生じたものと考えられる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
サンプル収集・特に進行期のサンプル収集を強化継続して行っており,引き続きサンプル解析と収集を行い使用する予定としている. また,現有サンプルから得られているデータでの学会発表や共著論文の発表等の成果発表も現在進行中であり,そちらにも用いる予定としている.
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Research Products
(2 results)