2014 Fiscal Year Research-status Report
イノシトールは口唇口蓋裂を抑制する-その機序解明からCLP発症原因を探る-
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25861986
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤原 久美子 富山大学, 大学病院, 助教 (60404737)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口蓋裂 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度より富山大学医学部歯科口腔外科学講座に所属が変わったため、対象研究群として、富山大学附属病院で加療を行う口唇口蓋裂患者に関するサンプル取集を行ってきた。現在のところ、当大学でのサンプル約10例に関しては、手術時に生じた皮膚および粘膜の一部をQUAGEN Allprotect Tissue Reagent液に速やかに保存した状態である。またそれぞれについての患者の裂型・性別・既往歴・家族歴などの患者背景は、データとして保存し、サンプルとデータについては連結匿名化を実施し、得られた結果に応じて患者データにアクセス可能な状態とする。また実験室のセットアップについてもほぼ準備が整った状態である。 現在までに、本大学でえられたサンプルで、口蓋裂の孤発例と思われるものは3例にとどまっていた。そのため、今後の研究では無症候性の口蓋裂だけでなく、無症候性の口唇口蓋裂症例も含めて検討する方がのぞましいと思われた。 DNA抽出後のMLPA法実施に関しては、直接FALCOバイオシステムズに問い合わせし、解析キットを本年度の予算で購入している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属大学の移動のために、研究対象とするサンプルの収集開始から行う必要となった。また新たな研究室における実験の準備や試薬および備品の調整に時間が必要であった。
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Strategy for Future Research Activity |
MLPA 法(Multiplex Ligation Probe Amplification)は、ターゲット領域にプローブを設定し、プローブが相補的な配列にハイブリダイズ可能な場合にのみPCR 産物が得られる解析手法である。PCR を利用するために少量のDNA での解析が可能なことと、ハイブリザイゼーションとライゲーションを行うために1 塩基の差異を解析することができる。1 組の共通PCR プライマーを用い、1 サンプルで最大50 領域までのマルチプレックスPCR を行う。増幅産物をシークエンサーで分離し、各増幅断片が示すピーク面積値を、それぞれのコントロールデータと比較することで、ターゲット領域の数的変化を検出することができる。これらの手順についてはDNA抽出後はすみやかに実施可能なため、随時実施していく。
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Causes of Carryover |
本年度ではサンプルが10サンプル程度だったため、それほど試薬が必要ではなかった。キットは使用期限があるため、次年度以降のサンプル解析については購入しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度にMLPAキットの追加購入など必要となると考えられるため。またサンプル採取の手法についても再検討を要する部分があるため、新たな採取キットの予算として使用する予定である。(唾液からの採取等)
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Research Products
(3 results)