2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔外科手術を想定した各種操作が声門上器具に与える影響
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25861987
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
讃岐 拓郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (40533881)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯科・口腔外科手術 / 気道管理 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、前年度に収集し解析を進めていた米国の歯科麻酔科医にたいして行った歯科口腔外科手術における声門上器具の使用状況把握を目的にしたサーベイ調査のさらなるデータ解析を進めた。 具体的な解析結果を示す。「経験したことのある合併症は何か」という問いにたいして、一時的な換気困難が最も多く、約60%の歯科麻酔科医が経験していた。歯科・口腔外科手術中の一時的な換気困難の原因として、声門上器具の圧迫や、喉頭痙攣、分泌物の貯留などが考えられる。注目すべきは、2番目に多い術後咽頭痛で、約40%が経験していた。声門上器具を使用した際の術後咽頭痛は、声門上器具が咽頭組織を圧迫し、その圧迫が組織潅流圧を超えることで引き起こされたと考察される。そして、頻度は低いものの、胃内容物の逆流が3番目に多いことが分かった。胃内容物の逆流は、高い圧でガスが漏れ出すこととで胃への送気が起こり、生じることがある。これらの合併症が多いという本サーベイの結果から考察すると、声門上器具の圧迫を引き起こす操作が歯科麻酔における声門上器具の使用上のポイントになるのではないかと考えられる。平成27年度はさらなる解析をすすめ、学会発表と論文投稿を目指す。当初、平成25~26年に臨床研究を、平成27年~28年にサーベイ調査を行う予定をしていたが、サーベイ調査を先に行うこととなったため、臨床研究を本年度平成27年度中に行える体制を整え、平成28年度にデータ収集ならびに研究結果の公表まで行えるよう計画を再度綿密に練り直すこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は所属が変わったこともあり、当初計画していた臨床研究に関して計画に遅れがみられる。ただし、サーベイ調査の解析は順調に進んでおり、平成27年度中の学会発表と論文投稿を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
サーベイ調査に関しては平成27年度中の学会発表と論文投稿を目指す。そのために、本年度は多くの学術集会に参加し、各方面からの意見を聞き、収集データのブラッシュアップや作成する論文の参考にしたい。 当初平成26年度計画していた臨床研究に関しては、本年度平成27年度中に研究体制を整え、平成28年度にデータ収集ならびに研究結果の公表まで行えるよう計画を再度綿密に練り直す。
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Causes of Carryover |
申請当初は、比較的費用がかかる口腔外科手術における声門上器具の機能変化に関する臨床研究をはじめに行う予定をしていたが、サーベイ調査を先に行ったために、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、サーベイ調査のブラッシュアップ、論文作成ならびに臨床研究の研究基盤を整えることを目的に、多くの学会に参加し、各方面からの意見を聞く。また、サーベイ調査の論文作成にあたっては、ピッツバーグ大学ポール・ムーア先生に指導を仰ぐために、日本への招聘あるいは渡米する予定である。また、臨床研究を行う基盤を整えるため、次年度使用額を使用したいと考えている。
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