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2013 Fiscal Year Research-status Report

金属ガラス製歯科生体材料の開発

Research Project

Project/Area Number 25861997
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

岩崎 将也  東北大学, 大学病院, 医員 (00647951)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords金属ガラス / 生体親和性
Research Abstract

本研究では、Zr70Ni16Cu6Al8金属ガラスの機械的性質を解析するため、引張試験をおこなった。また、アノード分極試験とイオン溶出試験を行い、Zr70Ni16Cu6Al8金属ガラスの耐食性について評価した。さらにZr70Ni16Cu6Al8金属ガラスの生体親和性を解析するため、Zr70Ni16Cu6Al8金属ガラス上でラット骨髄間葉細胞を培養し、細胞接着能と細胞増殖能について評価するとともに、骨分化誘導し、その形態および石灰化物の形成状態、骨分化能を解析し、Zr70Ni16Cu6Al8金属ガラスの生体材料としての有用性について検討した。
引張試験ではZr70Ni16Cu6Al8金属ガラスの引張強さが1500MPa、2種純チタンが570MPaと金属ガラスの方が3倍程度大きく、弾性率は2種純チタンの110GPaに比べ、Zr70Ni16Cu6Al8金属ガラスは70GPaであった。Zr70Ni16Cu6Al8金属ガラスは2種純チタンと比較して引張強さが高く、低弾性率であることが示された。アノード分極試験ではZr70Ni16Cu6Al8金属ガラスは明確な不動態域を示したことから、不動態皮膜を形成することが明らかとなった。また、イオン溶出試験ではZr70Ni16Cu6Al8金属ガラスからはほぼイオン溶出しないことが判明し、これらの結果からZr70Ni16Cu6Al8金属ガラスは高耐食性を有することが示された。
また、Zr70Ni16Cu6Al8金属ガラス上で培養した細胞は、金属ガラス上に接着し、増殖することが示され、骨分化能を有することが示されたことから、金属ガラスが良好な生体親和性を有することが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでの結果、この金属ガラスは高強度、低弾性を有していることが明らかとなった。イオン溶出試験では、金属ガラスから明らかなイオン溶出は認められず、耐食性に優れていることが示唆された。 さらに金属ガラス上で培養した骨髄細胞はチタン上と同等に接着し増殖することが示され、骨分化誘導培地にて培養すると、ALP活性の上昇やAlizalin red 染色の染色性とともに、骨分化マーカーであるALP, runx2, OCNの発現上昇が確認された。これらの結果からZr70Ni16Cu6Al8 金属ガラスは優れた機械的性質と生体親和性を有し、新規の生体材料として有用であることが示唆された。今後はさらにその生体親和性について深く検討する必要がある。

Strategy for Future Research Activity

本研究では、高強度かつ高弾性域を特徴とし、耐食性、生体親和性に優れたZr70Ni16Cu6Al8金属ガラスの生体材料としての応用を目標とし、それを組成とした金属ガラス製インプラント体を作製し、動物移植実験を行い、その可能性を探索する。ラット径骨にインプラント体を埋入し、埋入後の骨生着の安定性を純チタン製スクリューおよびチタン合金製スクリューと比較検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成26年度請求額とあわせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
金属ガラス製インプラントを作製し、今日歯科治療で使用されているチタン製インプラントとの比較をin vivoで検討する。それぞれのインプラントを埋入し、埋入8週間後に、顎骨を摘出し組織切片を作製する。その後、ヘマトキシリンエオジン染色によって顎骨との生着を評価する。また、マイクロCTによって解析し、インプラントの生着を3次元構造解析によって評価する。 これらの解析結果より金属ガラスおよびチタンにおけるインプラントアンカーへの有用性を比較検討する。この実験の物品費として使用するほか、
これまでの実験結果をまとめ、論文発表、学会発表する予定でありその諸経費にあてる予定である。

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Published: 2015-05-28  

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