2013 Fiscal Year Research-status Report
咬合刺激が歯周組織の血管動態および歯根吸収発現に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
25862015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
本川 雅英 広島大学, 大学病院, 病院助教 (90457268)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 咬合低機能 |
Research Abstract |
H25年度研究では、最初にラット上顎大臼歯を咬合機能低下、咬合機能回復、正常咬合機能条件下におき、マイクロCTを用いて、歯根および歯根膜腔の形態学的検討を行ことにより、咬合刺激が歯根および歯周組織形態に及ぼす影響について明らかにする。そして、上記3群の組織切片を作製後、歯根膜内毛細血管数の算定、毛細血管の直径および断面積の計測を行い、機能回復群におけるbFGFおよびVEGF陽性細胞数の経日的変化を検討した。 マイクロCTによる解析の結果、機能低下群においては他の2群より歯根長が長く、歯根幅が狭い傾向が認められた。また、歯根膜厚経および歯根膜腔面積については、機能低下群が対照群より有意に小さく、機能回復群が機能低下群より大きい値を示した。一方、歯根膜内毛細血管数については、機能低下群では対照群より有意に少なく、機能回復群では機能低下群より有意に多いことが明らかとなった。また、機能低下群では歯根膜内毛細血管の直径および断面積が対照群より有意に小さく、機能回復群では機能低下群より有意に大きいことが明らかとなった。 免疫組織学的検索の結果、機能低下群の歯根膜ではbFGF、VEGFの発現がほとんど認められなかったのに対し、機能回復群では対照群と同程度の発現が観察され、機能低下群と比較して陽性細胞数が有意に多いことが明らかとなった。 以上の結果より、咬合機能低下歯への咬合刺激の負荷により、血管新生関連因子を介して歯周組織の構造が回復することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究室に所属する大学院生と連携し、研究成果について研究協力者を含む研究チーム内での討論を繰り返しながら進めていった結果、順調に進展したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も同様に、本研究室に所属する大学院生と連携し、研究成果について研究協力者を含む研究チーム内での討論を繰り返しながら進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた理由として、CT画像データの解析に必要なPCとその周辺機器を購入するために次年度科学研究費と合算で購入予定のため。 CT画像解析用PCおよびソフト、データバックアップ用ハードディスクの購入を計画。
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