2014 Fiscal Year Annual Research Report
咬合刺激が歯周組織の血管動態および歯根吸収発現に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
25862015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
本川 雅英 広島大学, 大学病院, 病院助教 (90457268)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯科矯正学 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度の研究では、矯正力負荷による歯の移動量、歯根表面に発現する破歯細胞数および歯根吸収窩面積の経日的変化について、組織切片を用いて検討を行うと同時に、歯根膜腔内におけるRANKL、M-CSFおよびIL-8発現について免疫組織学的検索を行った。これにより、咬合刺激が実験的歯の移動時の歯根吸収発現に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。 矯正力負荷による歯の移動量については、各群間に有意な差は認められなかった。また、対照群および機能回復群の破歯細胞数は、実験開始7日目以降大きな変化を示さなかったが、機能低下群では増加が認められ、21日目では他群より有意に大きい値を示した。さらに、機能低下群の歯根吸収率は他群より有意に高かったのに対し、機能回復群における破歯細胞数および歯根吸収率については対照群と有意な差が認められなかった。 また、矯正力負荷によるRANKL、M-CSF およびIL-8発現を免疫組織学的に検索した結果、対照群および機能回復群では主に圧迫側歯槽骨に、機能低下群では主に歯根膜、歯根表面に多く発現していた。 以上の結果より、咬合機能低下歯に矯正力を負荷すると、歯根吸収を生じ易くなることが示され、矯正的歯の移動前に咬合機能低下歯へ咬合刺激を与えることにより、歯根吸収発現を抑える可能性が強く示唆された。
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