2013 Fiscal Year Research-status Report
変形性顎関節症の軟骨破壊に対するエストロゲンの作用機序の解明と診断法への応用
Project/Area Number |
25862017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
麻川 由起 (丹根 由起) 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (50526241)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エストロゲン / 歯学 / 細胞・組織 / 顎関節 |
Research Abstract |
本年度では、実験1として過度な伸展刺激を負荷したラット下顎頭由来培養軟骨細胞における軟骨基質代謝に対するエストロゲンの影響について検討を行った。 1.培養軟骨細胞におけるCOX-2, PGE2 およびMMP発現の解析 6週齢雌性ラットの下顎頭軟骨層より軟骨細胞を採取、培養し、現有する培養細胞伸展機 (Flexercell Strain Unit) を用いて機械的伸張刺激を与えたところ、0.01M以上の高濃度17b-エストラジオール(E2)添加によりCOX-2,MMPs(MMP-1,3,9)およびヒアルロニダーゼ発現が上昇することが明らかとなった。しかし、MMP-13発現に影響は認められなかった。また、培養上清中のPGE2濃度については、1および10M E2添加において有意な増加を認めた。一方、0.1nMのE2を添加した場合、機械的刺激によるCOX-2およびMMPの発現上昇を抑制することが示された。 2.培養軟骨細胞における炎症性サイトカイン発現の解析 各種濃度のE2存在下あるいは非存在下で機械的伸張刺激を負荷し、培養軟骨細胞における炎症性サイトカインの発現について検討を行ったところ、IL-1b、IL-6,IL-8は0.01ME2の添加により発現が上昇し、濃度依存的に変化を認めた。 次に実験2として過度な伸展刺激を負荷したラット下顎頭由来培養軟骨細胞におけるエストロゲンレセプターの発現とシグナル経路について検討を行った。下顎頭由来培養軟骨細胞に15 kPaの機械的伸長刺激を負荷し、エストロゲンレセプター(ERα)の発現レベルについて検討したところ、機械的伸張刺激によりERα発現への影響は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本実験は、ラット下顎頭由来軟骨細胞を用いているが、ラット下顎頭は非常に小さく、細胞抽出に時間を要したことと、12月より産休に入ったため、当初予定していた実験計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、エストロゲンレセプター(ERα)のアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて、ERαを介したエストロゲンの軟骨破壊因子増加のメカニズムについて検討を行う予定である。さらに、ラットTMJ-OAモデルを用いてエストロゲンの影響についてin vivo系実験での評価検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年12月9日より産前産後休暇と育児休業による中断のため。 今後は、エストロゲンレセプター(ERα)のアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて、ERαを介したエストロゲンの軟骨破壊因子増加のメカニズムについて検討を行う予定である。さらに、ラットTMJ-OAモデルを用いてエストロゲンの影響についてin vivo系実験での評価検討を行う予定である。
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Research Products
(1 results)