2013 Fiscal Year Research-status Report
顎口腔系を介するストレス緩和機序のニューロイメージングによる解析
Project/Area Number |
25862023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
村田 智子 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (00610916)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 不正咬合 / 機能的磁気共鳴画像法 / 脳活動 / 咀嚼筋活動 |
Research Abstract |
不正咬合は顎口腔機能障害を引き起こすだけではなく、肩凝り、頭痛などの全身的症状を訴える患者が少なくない。また、これらの患者に対し、矯正治療を行い、咬合改善を図ることで、全身的症状が改善されることも臨床上しばしば見られる。しかし、不正咬合がこれらの全身的症状の原因となっているか否かは定かではなく、両者の因果関係を確かめる診断法も確立されていない。 そこで、実験用スプリントを用いて人為的に不正咬合を作成するとともにクレンチングを行わせ、不正咬合によるストレス状態を惹起させた後、機能的磁気共鳴画像法を用いて大脳辺縁系を中心とした高次脳の変化を解析する。それとともに、顎運動および咀嚼筋活動をも解析し、機能的磁気共鳴画像法による解析結果との関連を検討する。加えて、このストレス状態下における種々の変化を及ぼすチューイングの影響を同様の手法を用いて解析する。これらの解析結果を元に、顎口腔領域以外の部位に種々の症状を訴える咬合異常を伴う口腔機能障害患者において機能的磁気共鳴画像解析を行い、上述の解析結果と比較検討する。 本年度は以下を行った。①被験者の選定を行った。被験者は、右利きの正常咬合者で、成人男女各10人とした。被験者には実験内容を明確に説明し、承諾を得た。②上顎模型に厚さ0.5mmのポリビニール製シートを圧接して作成したスプリントを被験者に装着し、下顎を最後方に誘導した状態で前歯部に即時重合レジンを添加して下顎最後方位を保持する実験用スプリントを作製した。③K-7エバリュエーションシステムを用いて、被験者の顎運動、筋電図測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているが、被験者の選定に時間を要したこともあり、K-7エバリュエーションシステムを用いた顎運動測定、筋電図測定まで行った。今後、機能的磁気共鳴画像解析を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、機能的磁気共鳴画像の設定条件を決定する。得られた画像を画像解析ソフトを用いて解析を行う。解析の際、脳の形態や大きさは個人差があるため、画素単位の検討を行い、画像統計処理を行うために解剖学的標準化を行う。
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