2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25862025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊藤 千晶 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (40452940)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯磨き動作 / モーションキャプチャ / 定量解析 |
Research Abstract |
小児の歯磨き動作を解明するためには、成熟した歯磨き動作の基準として成人の動作を明確にする必要がある。そこで、平成25年度は先行研究として成人の歯磨き動作時の歯ブラシの動きについて解析した。 Jerk costでの解析を試みたものの、その算出が困難だったため、研究計画と同様のフーリエ変換を用いて、ブラッシング時の歯ブラシの動きを周波数に変換した。歯科衛生士が上顎左側および右側臼歯部の頬側を刷掃する際の歯ブラシの往復運動について、その周波数を求め、左右側を比較した。また、周波数の個体間変動と個体内変動について検討した。 ブラッシング時の歯ブラシの往復運動の周波数は、個体内変動が左右側とも個体間変動より低値を示した。このことから、各個人には安定した固有の運動リズムがあることが示唆された。しかしながら、周波数には左右差があり、また、周波数の個体間変動は左側が高値を示したことから、手首をひねらなければならない右側の刷掃では、その可動域が制限されるため、動きが単調になり、個体間のばらつきが小さくなったのではないかと予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現状の歯磨き指導では、歯垢染色剤を使って残存しているプラークを可視化することで、本人や保護者の歯磨き手技を評価するにとどまっており、歯磨き動作を遂行するための運動能力を定量評価する報告は皆無である。よって、本研究は歯磨き動作に関して、定量的に評価することが達成目標の一つである。平成25年度では歯磨き動作をフーリエ変換を用いて周波数に換算し、定量的に評価することが可能になった。よって、研究目標の一部がおおむね達成されてきていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究により、歯ブラシの動きを定量評価することが可能になった。本年度は歯ブラシの動きだけでなく上肢と体幹の動きについても解析を行う予定である、また、昨年度は対象者を成人として、評価方法の確立に主眼を置いた研究を行ったが、本年度は対象を小児として計測を行い、小児の歯磨き動作についても解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の動作計測と解析において、口腔内のブラッシングを円滑に行うためには、口腔周囲筋の協調運動も重要である可能性が示唆された。そのため、平成26年度以降は口腔周囲筋の機能解析を追加する可能性を検討している。そのためには、更新閉鎖力測定器を追加して購入することも検討しており、そのための予算として平成26年度分として繰り越した。 平成26年度の研究費使用計画は以下の通りである。 物品費:口唇閉鎖力計測器、旅費:日本小児歯科学会の参加と研究打ち合わせ、謝金:研究補助の謝金、その他:論文校正料と投稿料を計上した。
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