2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25862039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
小平 裕恵 鶴見大学, 歯学部, 助教 (20367303)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 代用語 / 歯科治療 / 子ども / プレパレーション / 語い年齢 / PVT-R / 視覚手段 / 自閉症スペクトラム |
Research Abstract |
小児歯科臨床では、歯科治療中に用いる歯科用器材を子どもの身近にある理解しやすい言葉に置き換えた代用語を用いながらTSD法 (Tell Show Do Method:これからどのような器具・器材を用いて、どのように治療するかを見せて話して説明をする方法)で対応することが一般的で医科のようなプレパレーションはなされていない。代用語は、小児歯科関係の教科書に数語記載されているのみで、歯科医師が共通認識するための代用語集のようなものはない。精神発育途上や自閉症スペクトラムを抱える子どもの場合には歯科治療の内容を十分に理解得られないこともある。そこで本研究の目的は,それぞれの子どもにあった治療の説明に視覚的・聴覚的の双方を取り入れた歯科治療の説明手段を確立することである。現在まで本研究で用いる独自のアンケート用紙と調査用紙の作成、発達検査の選出は終了している。本研究では歯科治療で用いる基本セットとシーラント処置で用いる器材、合計26種類に限定した。作成したアンケート用紙の代用語は、以前に日常の臨床で用いる69器材の代用語を抽出するために歯科医師を対象に実施したアンケート結果を集計し、それぞれの器材の代用語の積算率を算出し80%までを選択肢とした。視覚手段で用いる絵は、多数の歯科医師の意見を頂き繰り返し修正し完成した。発達検査は発達心理学の専門者に意見を頂き参考に決定した。現在、鶴見大学歯学部附属病院小児歯科とその関連施設を受診している幼児から小学生に対して代用語と視覚素材についてのアンケート調査を行っている。アンケート調査終了後、集計し統計解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、歯科治療に用いる器材26種類について子どもにわかりやすい代用語と視覚手段を抽出するアンケート調査である。被験者が子どもであること、設問数が多いこと、設問内容が歯科治療の器材であり身近にみられる用具でないことより調査時間の短縮や字を読むのが苦手な子どもも行えるよう研究代表者と研究協力者が調査用紙を用いながら面接方式で調査を行うことを予定した。しかし、完成したアンケート用紙は、被験者が容易に回答できる内容であったため面談形式ではなく自宅で実施して頂いている。被験者とその保護者が本研究について非常に理解して下さり協力的であることも功を奏したと考えられる。アンケートの回収率は現在のところ100%である。従って、順調にアンケート調査は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を遂行するためには研究協力者を増員することで鶴見大学歯学部附属病院小児歯科とその関連施設に通院している多くの患児に被験者として協力して頂けるような態勢を整える。多くの被験者にご協力を頂くことで、子どもの立場に立った視覚手段と代用語からなる説明システムが完成し、子どもが歯科治療前に家で歯科治療に用いる器材の認識を深め、そして歯科治療中に歯科医師が用いる説明を受け入れやすくなるようになる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、予定していた学会へは不参加となった。そして、データ整理のために人件費を予定していたが、研究代表者自身で行ったため、次年度に繰り越すことにした。 平成25年度の代わりに日本障害者歯科学会第32回総会および学術大会へ参加を予定している。データ整理のための人件費に当てる予定である。
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Research Products
(1 results)