2013 Fiscal Year Research-status Report
細胞伸展装置を用いた擬似的歯根膜におけるオキシタラン線維の形成と配列の機序の解明
Project/Area Number |
25862041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
中島 一記 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (80610980)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 組織 / 歯根膜 / 弾性線維 / オキシタラン線維 / メカニカルストレス |
Research Abstract |
歯周組織の弾性系線維は機能的な外力を緩衝し、その恒常性維持のため重要な役割を担っており、また全身的にも弾性系線維の異常は大動脈解離や肺気腫などの疾患と密接に関係している。しかし、弾性系線維の形成機構は明らかにされていない。本研究では、弾性線維の一つであるオキシタラン線維が歯根膜で方向性をもって配列することに着目し、細胞伸展装置を用いて凝似的に力学的負荷を受けた歯根膜を再現し、オキシタラン線維の形成と配列の機序、すなわち力学的適応の解明を目指している。 これまで我々は、細胞伸展装置(メカニカルストレス)を用いたヒト歯根膜線維芽細胞の細胞培養実験で、オキシタラン線維束が凝集し生体のオキシタラン線維の直径に近似する条件を確立した。さらに、オキシタラン線維の走行とヒト歯根膜線維芽細胞との関係を検討した結果、メカニカルストレス付与により、細胞が再配列すること、オキシタラン線維の凝集した線維束が細胞長軸にほぼ直交することが明らかとなり、オキシタラン線維が外力に対して線維束の太さをただ増大させるだけでなく、ある方向性をもって凝集していることが考えられた。 平成25年度は、上記の内容を論文にまとめ、さらにメカニカルストレス付与による形態学的な変化を解析するため、オキシタラン線維 (fibrillin) と結合能を有するインテグリンαVβ3 や Fibulin-5 に着目し、重合解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は、上記の内容を論文にまとめ、さらにメカニカルストレス付与による形態学的な変化を解析するため、オキシタラン線維 (fibrillin) と結合能を有するインテグリンαVβ3 や Fibulin-5 に着目し、重合解析を行う予定であった。 論文として、作成途中であること。 実験として、インテグリンαVβ3 の抗体がオキシタラン線維 (fibrillin)との免疫染色が成功していないため、試行中であること。
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Strategy for Future Research Activity |
論文として、早急に作成して今年度中には完成させること。 実験として、インテグリンαVβ3 の抗体がオキシタラン線維 (fibrillin)との免疫染色が成功していないため、これまで行って成果を得ている Fibulin-5 を先行し実験を進めて、結果を出していくこと。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に予定していた、インテグリンαVβ3 の抗体がオキシタラン線維 (fibrillin)との免疫染色が成功していないため、本実験で使用する抗体の購入が出来なかったこと。 論文の投稿が間に合わなかったため、論文経費が請じていないため。 平成26年度に上記の実験で使用する抗体の購入と論文投稿による経費を計画している。
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