2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25862045
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北垣 次郎太 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (90570292)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スモ化システム / ユビキチン化システム / 歯周組織再生 / ボルテゾミブ / 歯根膜細胞 / Wntシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、タンパク修飾システムの一つであるスモ化システムの骨代謝ならびに歯周組織再生への役割を、分子レベルで解明することを目的としている。平成26年度の研究成果について以下に報告する。 平成25年度にスモ化システムとユビキチン化システムのクロストークを明らかにしたため、平成26年度は、ユビキチン化システムの歯周組織再生への応用を目的とした実験を行った。ユビキチン化システム阻害薬ボルテゾミブの歯根膜細胞の増殖・分化に対する効果を検討することを目的として、ボルテゾミブのマウス歯根膜細胞株(MPDL22)の分化ならびに石灰化に対する効果をリアルタイムPCRならびアリザリンレッド染色を用いて検討した。その結果、ボルテゾミブは石灰化関連遺伝子である骨シアロタンパクならびにオステオポンチンの発現を有意に上昇させ、石灰化ノジュールの形成を濃度依存的に促進させることが明らかとなった。ヒト歯根膜細胞株を用いても、ボルテゾミブは同様の効果を示した。 次に、ボルテゾミブの歯根膜細胞の石灰化誘導メカニズムを検討した。ユビキチン化システムは、硬組織代謝制御能を有するWntシグナルの転写活性を調節することが報告されていることから、ボルテゾミブはWntシグナルを介して歯根膜細胞の石灰化を促進していると推測した。そこで、MPDL22にボルテゾミブを添加し、Wntシグナルの下流因子ならびにターゲット遺伝子の発現を検討した。その結果、ボルテゾミブはWntシグナルの転写活性を調節することで、そのターゲット遺伝子BMP-2の発現を上昇させたことから、ボルテゾミブはWntシグナルを介してMPDL22の石灰化を誘導していることが明らかとなった。 以上の結果より、ボルテゾミブは歯根膜細胞の分化ならびに石灰化を誘導させることが明らかとなった。このことから、ボルテゾミブは歯周組織再生治療の有効な化合物であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)