2013 Fiscal Year Research-status Report
歯周病細菌に対する血中抗体価検査のインプラント周囲炎発症予知の有用性に関する検討
Project/Area Number |
25862048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
工藤 値英子 岡山大学, 大学病院, 助教 (00397887)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インプラント周囲炎 / 感染管理 / 歯周病原細菌に対する血中IgG抗体価 |
Research Abstract |
近年,口腔インプラント治療が著しく増加している。一方で,インプラント治療によるトラブルとして,歯周病原細菌をはじめとする口腔細菌の感染症が急増している。このインプラント周囲炎は,口腔インプラントの予後を左右する主な因子の一つである。これは,歯周病原細菌をはじめとする細菌がインプラントへ感染することにより,歯肉の発赤・腫脹・出血・排膿を認め,さらに進行すると骨吸収にいたる疾患である。骨吸収が重度に進行すると,インプラントを除去せざるを得ない状況にもなり得る。このインプラント周囲炎を予防するためには,細菌学的検査値に基づいたインプラントを含む口腔内の感染管理が重要である。それを充実させるために,歯周病原細菌感染度の指標である歯周病原細菌に対する血中IgG抗体価検査に着目した。 これまでに私が参加した研究から,主な歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalis(Pg)に対する血中IgG抗体価検査が歯周病重症度と有意に正の相関があり,その基準値(標準値)は1.68であることがわかった。そこで,インプラント治療の評価においても,このPgに対する血中IgG抗体価による細菌学的評価が有効ではないかと考えている。 以上のことから,インプラント周囲炎予防のために,インプラント施術前後における歯周病原細菌に対する血中IgG抗体価検査導入によるインプラント検査システムを確立し,エビデンスに基づいたインプラント治療のガイドラインを作成したいと考えている。そのために,インプラント施術前後における,歯周病原細菌に対する血中IgG抗体価を指標にした大規模な長期間追跡調査を予定している。本研究は,そのパイロットスタディとしてインプラント周囲炎の現状を調査し,また,歯周病原細菌に対する血中IgG抗体価検査がインプラント周囲炎の発症予知に有用であるかを検討することを目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
岡山大学病院 臨床研究倫理審査委員会に,本研究に関わる倫理審査を申請し承認を得た。現在,予定通り対象者の集積を開始できている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更はない。よって,引き続き,同意を得られた対象患者に対して,①インプラント治療歴のある対象患者の患者情報および生活習慣に関する情報収集②インプラント治療歴のある対象患者の口腔内検査③歯周病原細菌に対する血漿IgG抗体価検査および歯周病原細菌量の唾液検査(定量PCR法)を実施して,対象患者数を増やす。
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Research Products
(8 results)