2013 Fiscal Year Research-status Report
歯周組織構成細胞分化誘導に関連する特異的転写因子の解析
Project/Area Number |
25862057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高井 英樹 日本大学, 歯学部, 助教 (30453898)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 転写因子 |
Research Abstract |
歯周組織再生療法の確立は各々の歯周組織(歯槽骨、歯根膜、歯肉およびセメント質)に存在する細胞(歯周組織構成細胞)の生物学的特性を理解する事が重要である。今回、患者から採取したヒト歯周組織構成細胞(セメント芽細胞、歯根膜細胞、骨芽細胞および歯肉線維芽細胞)を用いて、各々の細胞で発現している転写因子を検索することにより、各々の細胞が表現型を維持するために重要な転写因子を明らかにすることを目的とした。ヒトセメント芽細胞(HCEM)、ヒト骨芽様細胞 (HAB) 、ヒト歯根膜細胞(HPDL) 、ヒト歯肉線維芽細胞 (HGF)およびヒト骨肉腫由来骨芽細胞(Saos2)は37℃、5%CO2インキュベーター内で培養し、HCEM、HABおよびSaos2は10%ウシ胎児血清および抗生物質 (100unit/mlペニシリンおよび100ng/mlストレプトマイシン)を含む Minimum essential medium alpha medium (αMEM)、HPDLおよびHGFは10%ウシ胎児血清および抗生物質 (100unit/mlペニシリンおよび100g/mlストレプトマイシン) を含む Dulbecco's modified Eagle's medium (DMEM) 培養液を用いた。100mmデイッシュに播種し、コンフルエント後、細胞を回収し、全RNAを抽出し、Real-time PCRにて各種転写因子のRNAの発現量を検索した。Saos2およびHABに比較してHCEM、HPDLおよびHGFではKLF12、Twist2およびPax9mRNA発現量が高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト骨芽様細胞(HAB)以外の歯周組織構成細胞は線維芽細胞で重要な転写因子を多く発現していた。このことから多くの歯周組織構成細胞は線維芽細胞に類似している事が示唆された。しかしながら線維芽細胞で重要な転写因子を阻害した時にどのような変化を示すかはまだ解明されていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト骨芽様細胞(HAB)以外の歯周組織構成細胞は線維芽細胞に類似している事から、線維芽細胞に重要な転写因子(KLF12、Twist2およびPax9)をsiRNAを用いてノックダウンすることで各々の歯周組織構成細胞がどのような細胞に分化誘導されるかについてReal-time PCRおよびWestern Blotを行い検索していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
多くの歯周組織構成細胞および多くの転写因子の発現を検索したため、特異的な転写因子の検索に時間がかかり、Real time PCR 用試薬およびReal time PCR 用Primerのみの購入となったため。 各々の歯周組織構成細胞特異的な転写因子をノックダウンするためにsiRNAを購入する。又、ノックダウン後に回収した細胞にて、特異的転写因子およびReal-time PCRにて変化を認めた転写因子についてタンパク質量を検索するためWestern Blot法で使用する抗体を購入する。
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