2014 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病の創傷治癒におけるビタミン B6, B12 および葉酸の影響
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25862058
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高野 麻由子 日本大学, 歯学部, 専修医 (90623968)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯周病 / 糖尿病 / 肝臓 / 創傷治癒 / ビタミン |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病と糖尿病は相互に関連し合う疾患であり、糖尿病による高血糖状態は創傷治癒遅延を惹起し、歯周病の病態悪化へ繋がると考えられている。ビタミン B6 および葉酸は免疫応答および組織修復に深く関与するが、骨再生・創傷治癒を有意に改善するとした報告は少ない。本研究では、糖尿病動物モデルにおける骨再生・創傷治癒にビタミン B6、B12 および葉酸がどのように影響するかに着目し、骨欠損・創傷治癒に対する作用とメカニズムの解明を目的とした。 平成 25 年度は創傷治癒におよぼす影響について検証し、論文投稿した。平成 26 年度はさらなる検証のため、Porphyromonas gingivalis (以下 P. gingivalis) 局所感染巣への影響に着目し、骨欠損に対するメカニズム解明に先立ち実験を行った。 1. 実験モデルの作製:糖尿病マウス群 (KKAy/Ta マウス) および非糖尿病マウス群 (C57BL/6 マウス) を 1 週間予備飼育の後、ビタミン B6 (ピリドキサ-ル 1 mg/g)、B12 (0.1 μg/g) および葉酸 (3 μg/g) 含有溶液群または蒸留水投与群を作製した。その後各群のマウス背部皮下に 1% パラホルムアルデヒド液にて固定した P. gingivalis を 1 週間毎に計 3 回摂取、感作させた。摂取開始 4 週目に P. gingivalis 生菌を両耳の間の頭頂部中央皮下に摂取し、P. gingivalis 局所感染巣を作製した。 2. 血清および肝臓中メディエーターの評価:生菌摂取前、摂取後 3 および 10 日後に評価を行った。採血した血液より血糖値を測定し、血清中 TNF-alpha および IL-6 タンパク質濃度を ELISA 法にて検証した。肝臓中 TNF-alpha および IL-6 遺伝子発現は real-time PCR 法にて測定した。 3. 組織標本の作製および組織学的分析:局所感染巣の評価は、パラフィン包埋による脱灰薄切標本を作製し、ヘマトキシリン・エオジン染色を施し、組織額的観察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成 25 年度研究実施計画は終了し、同内容における論文は投稿中である。 平成 26 年度研究実施計画も終了し、同内容における論文執筆中である。 また、新たな実験プロトコールの追加や実験モデル作製の際の予備飼育の延長や検証メディエーターに多少の変更はあったものの、炎症性サイトカインの推移や局所感染巣の変化において予想されていた一定の結果が得られていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 25 年度実験計画が順調に進行し、さらなる検証が必要であったため、当初予定していた平成 26 年度実験計画に先立ち新たな実験プロトコールを作製し実施した。現在、同内容の論文執筆中であり今後投稿予定である。 また平成 27 年度は当初予定していた平成 26 年度実験計画である糖尿病動物モデルにおける骨再生にビタミン B6、B12 および葉酸がどのように影響するかに着目し、骨欠損に対する作用とメカニズムの解明を目的とし、検証を加えていくこととする。
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Causes of Carryover |
消耗品購入の際に値引きがあり、端数が発生したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の発生は、次年度使用額に影響を及ぼさない範囲であると考える。よって、実験計画に大きな変更点はなく、消耗品購入等に充当する。
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