2014 Fiscal Year Annual Research Report
薬物性歯肉増殖症の発症に果たすHMGB1の役割に関する研究
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25862066
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
杉浦 進介 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤助教 (30647053)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HMGB1 / シクロスポリンA / 薬物性歯肉増殖症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、歯周疾患のうち薬物性歯肉増殖症の発症機序の解明を目的として、薬物性歯肉増殖症が報告されている薬物 (シクロスポリンA、フェニトイン、ニフェジピン)による免疫担当細胞からの炎症性サイトカインHigh mobility box-1 (HMGB1)の動態を調べた。昨年度までに、我々は、シクロスポリンA、フェニトイン、ニフェジピンで、マウスのマクロファージ様細胞株RAW細胞を刺激したところ、シクロスポリンA刺激のみがHMGB1を放出させることを明らかにした。 そこで本年度は、シクロスポリンAによるHMGB1の放出機序の究明を目的とした。その結果、シクロスポリンAによりRAW細胞内のMAPK経路のうち、ERK1/2のリン酸化の亢進を認めた。しかし、p38とJNKのリン酸化の亢進は認めなかった。 本年度の研究より、シクロスポリンAによるRAW細胞からのHMGB1の放出機序として、ERK1/2を介していることが示唆された。この知見は、シクロスポリンAによる薬物性歯肉増殖症の発症機序の一つとしてHMGB1の関与を初めて明らかにした知見であるため、今後の研究でさらに発展させる必要があると考える。今後の研究では、更なる放出機序の解明のために、本研究計画をベースにして検討する予定である。
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Research Products
(3 results)