2014 Fiscal Year Annual Research Report
sIL-1RAcPの歯周病診断血清マーカーとしての可能性に関する研究
Project/Area Number |
25862068
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
小澤 佑介 愛知学院大学, 歯学部, その他 (50624326)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インターロイキン1 受容体補助タンパク / 血清病態マーカー / 高感度CRP / 慢性歯周炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病の炎症の程度を簡便且つ正確に検出する血清病態マーカーはまだない。そこで本研究では、歯周炎の血清病態マーカーとしての可能性について血清中の炎症性サイトカイン受容体補助タンパク(インターロイキン1受容体補助タンパク, IL-1RAcP)に着目し、研究を進めている。当初の予定では研究内容を十分に説明した上で、インフォームド・コンセントの得られた被験者(歯周組織健常者(HC群,88名)、慢性歯周炎患者(初診時)(iCP群,88名)、慢性歯周炎患者(サポーティブ・ペリオドンタル・セラピー時)(sptCP群,88名))を選択し、前腕肘正中皮静脈より採血(サンプリング)を行い、末梢血から遠心分離により血清成分を抽出する予定であった。当初の計画よりも人数は少ないが、HC群59名、iCP群67名、sptCP群60名でsIL-1RAcP、hs-CRPの測定を行い、統計解析を行った。 血清中のsIL-1RAcPはHC群とiCP群との間で有意な差を認めたが、HC群とsptCP群、iCP群とsptCP群では有意な差は認められなかった。血清中のhs-CRPでは全群間で有意な差は認めなかった。また血清中のsIL-1RAcPと歯周病の臨床パラメーター(probing pocket depth (PPD)、Clinical attachment level (CAL)、Bleeding on probing (BOP))との間に弱い正の相関を認めた。この結果から今後さらに被験者数を増やし,詳細にその動態を検討し適切なエンドポイントを設定することで,sIL-1RAcPが歯周病の発症や進行のメカニズムを考える上での一つの因子となり,hs-CRP以上に歯周炎の病態を正確に表す血清マーカーとして新規の歯周病検査の一つとなる可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)