2013 Fiscal Year Research-status Report
唾液防御機能の向上によるう蝕・歯周病予防プログラムの開発と効果の検証
Project/Area Number |
25862096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
財津 崇 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 有人宇宙ミッション本部, 宇宙航空プロジェクト研究員 (80611508)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 健口体操 / 宇宙歯学 / 予防歯科 / 口腔機能向上 |
Research Abstract |
これまで、長期宇宙滞在時、大規模災害時における集団生活などストレス環境では、唾液防御機能の低下がみられ、う蝕や歯周病の発生リスクが高まることが報告されているが、唾液防御機能向上による歯科疾患予防プログラムは検討されていない。本研究は、これまで高齢者や要介護者を対象にした研究で嚥下や舌などの口腔機能の向上が見込まれる「健口体操」による唾液防御機能の向上(粘度の減少・免疫物質の増加)を評価し、そのう蝕・歯周病の予防効果を検証することを目的とした臨床介入研究である。 平成25年度は被験者募集を行い、本研究の同意を得た37名の被験者を、健口体操実施群、非実施群の2群に分け、ベースライン調査、1回目(短期間)、2回目(長期間)の口腔内診査と唾液サンプル採取を行った。口腔内診査として、全歯のう蝕、補綴状況を調査し、歯周病の状況としては、歯周精密検査に基づき全歯の歯周ポケット深さ、歯石の付着状況、出血状況を、口腔清掃状態としては、Plaque Indexを行い評価した。唾液の計測に関しては、粘度(デジタル粘度計 DV-II+Pro)、PH(コンパクトPHメーターTMS-510E)、濁度・色度(ポータブル水質計 WA1)、唾液量の計測を行った。計測後の唾液は研究用冷凍庫にて保管を行った。 平成26年度は冷凍保存中の唾液サンプルの成分分析(コルチゾール濃度等)とこれまでに入手したデータの解析を行う予定である。また平成25年度、26年度の2年間の成果をまとめ、学会発表や論文発表を行い、研究成果を広く公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の目標は、本研究の同意を得た被験者を、健口体操実施群、非実施群の2群に分け、ベースライン調査、1回目(短期間)、2回目(長期間)の口腔内診査と唾液サンプルの解析を行い、データを収集することであった。 平成25年度には37名に、実際に実施を行いデータ収集(う蝕・歯周病有病状況、口腔清掃状態、唾液粘度、唾液量、口腔細菌量、口腔内濁度・色度)まで行うことが出来た。そのため、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度に採取し、冷凍保存中の唾液の成分分析(コルチゾール濃度等)とこれまでに入手したデータの解析を行う。2年間の成果をまとめ、学会発表や論文発表を行い、研究成果を広く公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究当初予定していた被験者の募集の手続きで時間がかかり、唾液成分分析と統計解析を平成26年度に実施するため、平成25年度分の予算の余剰が出ている。 繰り越された費用は、次年度の研究補助や実験補助に用いる予定である。
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