2015 Fiscal Year Annual Research Report
看護学生の思考・判断力の定量的評価結果に基づく思考・判断力育成プログラムの構築
Project/Area Number |
25862099
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
會津 桂子 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (90436014)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護教育 / 学習理論 / 知識構造 / 思考 / アセスメント能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護学教育における思考・判断力に関する、科学的根拠に基づいた効果的な教育プログラムを構築することである。看護学生を対象に、新規に考案した思考・判断力育成プログラムを実施し、実施前後の思考・判断力を定量的に評価することで、育成プログラムの有効性を検討した。本研究では、思考・判断力について、看護事例課題を用い、患者の状態を分析して看護問題を判断する能力により評価をした。 平成25年度は、看護学生における思考および思考に用いられる知識の特徴を明らかにすることを目的に、2年次生の思考・判断力および知識の構造化レベルを調査した。平成26年度は、臨地実習前後における看護学生の知識構造及び思考・判断力の変化を評価することを目的とした。臨地実習後は、知識の構造化レベルおよび思考・判断力が有意に向上したことから、臨地実習における学習体験は、知識の構造化及び思考・判断力の向上に有効であると考えられた。 平成27年度は、臨地実習未体験の学生に、知識の構造化を促進するために専門知識を臨床場面と関連付けて学習する方略を獲得させる教育介入を実施し、その有効性を検討した。看護学生2年次生を介入群・非介入群に分け、介入群へは、学習理論に基づく教育介入を実施した。介入期間の前後に、全参加者を対象に知識の構造化レベル及び思考・判断力を調査し、定量的評価を実施した。知識の構造化レベル及びアセスメントにおいて看護問題を判断する能力は、介入群のみ事後テストで有意に上昇し、非介入群に比べ有意に高かった。知識同士の関連性を理解して専門知識を学ぶ方略を教授した介入群は、知識がより構造化され、アセスメントにおいて複数の情報を多面的に見て看護問題を判断する能力が高まったことが示唆された。 本研究における、専門知識を構造化させる教育介入は、学生の思考・判断力向上に有効であった。
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