2014 Fiscal Year Research-status Report
看護技術とフィジカルアセスメントに関するシナリオトレーニングシステムの開発
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25862108
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
八木 街子(佐伯街子) 北里大学, 看護学部, 助教 (60610756)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | e-ラーニング / 看護技術 / フィジカルアセスメント / シナリオトレーニング / シミュレーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は看護師の臨床実践能力と自信の向上を目指し、看護学生の段階から実際の臨床場面で起こりそうなストーリー上で看護技術とフィジカルアセスメントを学習するためのシミュレーショントレーニング教材の作成を目的としている。 平成26年度は、①学習管理システム(Learning Management System:LMS)の利用したe-ラーニング教材の作成、②モバイル端末対応のアプリケーションの作成、③e-ラーニング学習の学習効果の評価を行った。①では、学習進捗状況、テスト結果を把握・管理するためにLMSを利用し、いつどこでも学習できるe-ラーニング教材作成した。その内容を、②としてスマートフォンやタブレットPCでも使用できるようにアプリケーションとして再構成し操作性を高めた。作成した教材に関して主観的評価(質問紙調査)・客観的評価(研究前後の解答の正誤率)を実施し、その結果を元に投稿論文を作成している途中である。作成したe-ラーニング教材の学習効果として、実施後の正誤率が実施前の正誤率と比べ有意に高かった。また、教材の中で学んだ知識を実際の臨床場面でどのように用いるのかがストーリーの中で分かるので良いという評価も自由記載で確認できた。 加えて、シミュレーション教育を積極的に実施しているハワイ大学にてストーリー型のシミュレーショントレーニングに関する研修を受け、そのシミュレーショントレーニングの学習効果に関する論文を投稿した。 平成25年度の成果においてシミュレーターと紙面での臨床実践能力トレーニングにおいて実施後の正誤率に差がなかったことから紙面でのトレーニングの有効性が明らかにしている(学会発表済み)。その上で、今後は紙面学習の一つであるe-ラーニングでの学習効果や効果特性を検証し、より効果的かつ効率よく環境を選ばす学習できるよう教材を改善する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度から継続して教材を作成し、到達目標であった①学習管理システムの利用したe-ラーニング教材の作成、②モバイル端末対応のアプリケーションの作成、③e-ラーニング学習の学習効果の評価を実施することができている。懸案事項であった「シミュレーターがなくてもシミュレーショントレーニングが可能になるシステムとしてのe-ラーニング教材、アプリケーションの作成が終了しており、その評価も進めることができているため、進捗状況としては計画以上に進展していると判断する。しかしながら、現在の段階でシミュレーションに関する論文を1件投稿し採択されているものの、これまでの結果に関する国際学会での発表に関しては異動に伴う事情により実施できていない。この点にも踏まえた上で、平成26年度はおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、昨年度業務の関係で実施できなかったこれまでの結果に関する国際学会での発表(International Meeting on Simulation in HealthcareおよびEast Asian Forum of Nursing Scholars)と成果論文を日本医療教授システム学会誌へ投稿する。加えて、今後作成したe-ラーニング教材の汎用性を高め、より多くの学習者が効果的に臨床実践能力の学習が可能になるように、作成したe-ラーニング教材をフォーマット化し、多様な場面で利用できるよう教材の種類を増やしていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
平成26年度より名古屋大学から北里大学に異動したため、看護学生実習の指導日程の調整ができず国際学会への参加ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に予定していた国際学会に加えもう1件で学会発表を行う予定である。
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