2013 Fiscal Year Research-status Report
男性看護師の育児休業取得率引き上げを目指したワークライフバランスの意識改革
Project/Area Number |
25862126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Niigata Seiryou University |
Principal Investigator |
小島 さやか 新潟青陵大学, 看護福祉学部, 助手 (40599263)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ワーク・ライフ・バランス / 男性看護師 / 子育て |
Research Abstract |
本研究は、男性看護師の「働き方」「暮らし方」の実態を明らかにすることで、男性看護師の育児休業率の引き上げ、また育児休業が取得できる環境として必要なものを明らかにする目的で取り組んでいる。さらに、看護職にある者が、性別や生活スタイル、子どもの有無にかかわらず、ワーク・ライフ・バランスについて考える契機となり、育児休業に対して理解を深め、看護職の誰もが生き生きと働ける職場づくりを目指すものである。 25年度の取り組みとして、男性の、また看護師のワーク・ライフ・バランスに関するデータおよび育児観や性別役割分業観に関する調査を行い、既存の質問紙には欠けていた新たな調査を設計した。具体的には、職場・家庭の意識と実態、父親の育児分担の増進因子(環境要因、権力要因、意識要因等)である。 この過程の中で、男性の育児休業率を高めるべく法改正(育児介護休業法、雇用保険法)が行われ、また男性を対象としたイクメンプロジェクト、看護職を対象とした日本看護協会のワーク・ライフ・バランス推進事業が行われていてもなお、育児休業取得率は上昇せず、国の到達目標には達しない現状の要因が明らかになった。単なる男女の生物学的性差のみにとどまらず、経済的な問題、職場風土・認識、性別役割分業意識等が深く関連していることが明らかになった。また、男性看護師の育児休業取得に対する援助は、その勤務の特性から、一般の男性会社員や女性看護師とは異なる支援をすべきであることも明確になった。これらの状況から、第1次調査の研究対象は既婚・未婚、子育て経験を問わず男性看護師全体とし、職場環境の実態と意識について調査することとした。26年度は、調査対象を子育て中の男性看護師に限定し、育児への参加や育児休業取得を推進・阻害するものをさらに明らかにしていくことが課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度に第1次調査を終了する予定であったが、現在も調査継続中である。当初の予定よりもやや遅れている原因としては以下の二点によるものが大きいと考えている。 1、研究開始段階では既成の調査紙を活用した調査を考えていたが、予備調査を行った結果、既成のものでは男性看護師の生活や就業の実態、育児に対する考え等を調査するには不十分であることが明らかになった。調査内容をより厳選、精練し、価値の高いものにするため、質問紙の検討を、専門家からのスーパーバイズを受けながら行ったため、より多くの時間を要した。 2、倫理審査委員会への申請から受理までに、研究者自身が想定していたよりも多くの時間を要したため、調査開始時期がやや遅くなった。 結果として、最初の予定よりも進行状況がやや遅れてはいるものの、2年次に行うべき第2次調査を念頭に入れながら現在作業しているため、最終年度までに予定通り計画を終了することが出来ると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には、1次調査の集計、分析を終え次第、第2次調査を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第1次調査のデータ入力協力者に対する人件費として2万円を計上していたが、これを25年度中に実施しなかったために残額が生じた。 26年度以降については、25年度に使用しなかった金額は予定通りデータ入力の人件費として使用予定である。その他に関しては、当初の予定通りの使用を考えている。
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Research Products
(3 results)