2014 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者と家族がコミュニケーションツールとして協働作成できる新たな事前指示書の開発
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25862130
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
服鳥 景子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10335755)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 事前指示 / 高齢者と家族 / クオリティオブライフ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、フォーカスグループ調査を計画したが、応募人数が定員に達しなかったため、個人面接を10名実施した。その結果、A県B市に在住する男性6名、女性5名、平均年齢76歳(最低年齢66歳、最高年齢85歳)に参加していただいた。面接では、研究者が代表的なエンディングノ―トを1点選択し、それについて各参加者に意見や感想を述べていただいた。その結果、すべての参加者に事前指示作成の意思があった。その作成動機づけとして有効であるのは、「家族の要望」や「家族の負担軽減」であった。特に子に対して、迷惑をかけたくない気持ちが強かった。面接時に事前指示を作成していた人はおらず、その理由として、「忙しい」、「難しそう」、「説明してくれる人がいない」など複数の意見が聞かれた。死に対する思いとしては、「死より死ぬ過程が怖い」や「介護など迷惑をかけずに逝きたい」など、将来自らの身体をコントロールできなくなった時を不安視する参加者が多数であった。性差による参加者の意見に有意差はみられなかった(P>0.05)。 インタビュー結果および米国の事前指示書(Five Wishes)を参考にして、死の過程(①末期疾患告知、②終末期医療の選択、③死後直後の選択(葬式と墓))についての質問項目3点を上記の代表的なエンディングノートに追加したパイロット版事前指示書を作成した。追加した質問項目は、家族協議を促すための詳細な小質問に答えながら、最終的な意思決定を高齢者と家族ともに促す方法をとった。個人面接に参加された10名に対し、3回の事前指示書記入説明会を開催し、各々の事前指示書を完成させた。 参加者の評価として、「子どもと久々に話をした」、「子どもの方が遠慮していた」、「自分も子どもも共通理解ができて、スッキリした」、「家族に問題が起こったときは前より気軽に話し合うことができると思う」などの意見が聞かれた。
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Research Products
(1 results)