2015 Fiscal Year Research-status Report
軽症脳梗塞患者の再発予防のための日常生活運動プログラムの開発
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25862145
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
佐藤 美紀子 島根大学, 医学部, 助教 (20457188)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 軽症脳梗塞患者 / 再発予防 / 運動プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞の再発率は高く、再発を繰り返すたびに重症化することから、軽症の脳梗塞患者の再発予防は重要な課題である。脳梗塞の再発予防のためには、高血圧、糖尿病、脂質異常症等の危険因子の管理と、生活習慣の改善が必要である。軽度の後遺症をもつ脳梗塞患者は、生活習慣の中でも、運動習慣を獲得することが極めて困難な現状が報告されている。また、再発予防のための具体的な運動プログラムは未だ開発されていない。そこで、本研究では、軽症脳梗塞患者の再発予防のための運動プログラムの開発を目的として、平成26年度から軽症脳梗塞患者の身体活動量の実態と、運動習慣獲得のためのニーズ調査を追跡して行った。 身体活動量の実態については、発症から3ヵ月後、さらには、1年後において、発症前と比べて活動量の低下が認められた。また、運動習慣獲得ニーズについては、運動習慣を獲得したいと思う者は発症から3ヵ月後には約3割であったが、発症から1年後には約1割に減少した。運動習慣を獲得するためのニーズについては、専門家による定期的な運動指導、一緒に運動をしてくれる人などがあったが、いずれも少数であった。運動できない理由については、目安が分からない、疲れやすいなどであった。一方で、発症後も家事などの家庭内役割を担っている者の割合は発症前後で変化はなかった。 軽症の脳梗塞患者は、発症後しばらくは、再発の危機感をもって生活習慣の改善に取り組んでいるが、後遺症が軽度であることから、時間の経過と共に、運動習慣を獲得したいというニーズをもつこと自体が少ない現状が明らかになった。 よって、軽症脳梗塞患者の運動プログラムとしては、単にある種の運動を示して、それを実施してもらうのでは再発予防効果が期待できない。日常生活活動の中で、活動量を増やし、危機感がうすれないように、外来受診の際など、定期的に指導を行うプログラムが有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象となる患者が予測よりも少なかったため。また、平成27年度は産前産後、育児休業のため、研究を中断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はデータをさらに増やせるように、対象者を増やして調査する。また、運動プログラムを実施し、再発予防効果について検証する。
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Causes of Carryover |
産前産後の休暇、育児休業の取得による研究の中断。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果を学会で発表し、論文を作成するための経費として使用する。
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