2016 Fiscal Year Research-status Report
軽症脳梗塞患者の再発予防のための日常生活運動プログラムの開発
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25862145
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
佐藤 美紀子 島根大学, 医学部, 助教 (20457188)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 軽症脳梗塞患者 / 脳梗塞再発予防 / 身体活動量 / 運動習慣獲得ニーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
軽症脳梗塞患者19名を対象に、退院時、発症3か月後、1年後に、身体活動量と運動習慣獲得ニーズに関する追跡調査を行った。 発症後の社会的役割の変化は認められなかった。家庭内役割は、子ども・孫の世話は3か月後には減少し、1年後には再び戻っていた。再発の不安を感じる者は、退院時は73.7%、3か月後は58.3%、1年後は44.4%であった。不安の程度は発症後1年で低下する傾向が見られた。運動の意欲がある者は、退院時は89.5%、3か月後は70.0%、1年後は55.6%であり、退院時にめまいがある者は、意欲が有意に低かった(p<0.05)。運動の自信がある者は、退院時は63.2%、3か月後は50.0%、1年後は44.4%であり、退院時に労作時の息切れがある者は、自信が有意に低かった(p<0.05)。運動の不安がある者は、退院時は31.6%、3か月後は58.3%、1年後は50.0%であり、その理由は、支援者がいないなどであった。発症前、3か月後、1年後の1日の Metsの平均には、有意差は認められなかった。3か月後に再発の不安を感じている者は、有意にMetsが多かった(p=0.01)。 運動習慣獲得ニーズのある者は、退院後に著しく減少していた。支援ニーズは、精神的支えとなる人、一緒に運動する人、勤務調整などであった。 発症後1年を経過した時点から再発の不安が低下し、Metsが減少する傾向があり、運動の意欲・自信は時間経過とともに低下して不安が高まり、運動習慣獲得ニーズは退院後に著しく低下することが明らかになった。再発への不安は、健康行動の動機づけとなり得ることから、退院後の継続支援が求められる。運動の意欲・自信には、脳梗塞随伴症状、身体予備力の低下が影響しており、個別的な支援を要する者も存在する。支援ニーズから、運動習慣獲得においては健康行動の原動力となる他者の存在も求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年間の育児休業の取得による調査の遅れ。1年間の延長申請を行い、継続して調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
軽症脳梗塞患者の在宅における身体活動量と運動習慣獲得ニーズに関する実態調査を行い、平成29年8月に公表する予定である。今後は、全国の実態調査を行い、その結果を基に、介入研究を行う計画である。
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Causes of Carryover |
1年間の育児休業の取得による研究の遅れによるものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
在宅軽症脳梗塞患者の身体活動量と運動習慣獲得ニーズに関する全国調査を実施し、介入計画を行うための経費、また、学会発表、論文作成にかかる経費として使用する計画である。
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