2016 Fiscal Year Research-status Report
初期治療として手術療法を受ける肺がん患者の希望を支える看護支援モデルの開発
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25862146
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
板東 孝枝 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (00437633)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺がん患者 / がん手術療法 / Hope |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,計画していた文献検討や学会等への参加による情報収集等を行うとともに,引き続き具体的な肺がん患者の希望を支える看護支援モデル開発に向けて研究を遂行した.昨年度より引き続き治療期にある術後肺がん患者への理解を深めるために,術後肺がん患者が療養過程の中で経験しているHopeの体験を記述することを目的し実施した因子探索的質的記述研究により得られたデータ分析を行った.分析の結果,7つのカテゴリーが導き出され,術後肺がん患者は,「がんでも手術ができた」ことを心の糧とし,日常生活を送る上で感じる自身の体調から「手術がうまくいった」ことを実感していることが明らかになった.しかしその一方で,肺がんは再発率が高く,治療後も症状が長引くことから,患者は体調の回復や先行きが「手放しに喜べない状況から遠くの目標を近くに置き」,「守るべき存在や期待できるサポートがある」ことに支えられながら,「がんに負けず前向きに生きたい」という願いを持ち続けていた.そして残存する不快症状に対して「そのうち今ある症状は治る」と自分自身に言い聞かせ,「失った自分の肺を取り戻す」ために自助努力をしている現状も明らかになった.これまでの研究成果より術後肺がん患者は,治療に伴う症状である咳,口舌のあれた感じ,胸部の痛みの3症状が「Hope」に負の影響を与え,治療段階にある患者への支援として,症状コントロールの重要性が示唆されていたが,本年度の分析結果からも,具体的な肺がん患者の希望を支える看護支援モデル開発の重要な要素として症状コントロールの重要性が再確認できた.これらの知見を統合し,今後は肺がん患者の希望を支える看護支援モデル(案)の開発を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
因子探索的質的記述研究により得られたデータ分析に時間を要した.これまでの知見を統合し,手術を受ける肺がん患者の希望を支える看護支援モデルの開発の研究成果の発表準備にも時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
現在投稿中の手術を受ける肺がん患者の希望を支える看護支援モデルの開発の研究成果について,がん看護に精通した研究者のスーパーバイズを受け,プログラムの精度を高める予定である.
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Causes of Carryover |
当初の予定よりもデータ収集及び分析に時間を要した.看護支援モデルの適合度が低く,改良が必要であった.また、研究成果の発表が年度末となり、研究の補助期間の延長申請を行った.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に現在査読中である論文投稿の英文校正費用や成果発表費用関連費用として使用予定である.
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Research Products
(2 results)