2013 Fiscal Year Research-status Report

慢性心不全患者のヘルスリテラシーに基づく症状マネジメント評価尺度の開発

Research Project

Project/Area Number	25862157
Research Category	Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
Research Institution	Osaka Prefecture University
Principal Investigator	角野雅春大阪府立大学, 看護学部, 助教 (50611456)
Project Period (FY)	2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords	ヘルスリテラシー / 慢性心不全 / 患者教育 / 意思決定 / コミュニケーション / 情報
Research Abstract	慢性心不全患者ヘルスリテラシー尺度に適合するためにその概念について明らかとした。以下にその一部を示す。ヘルスリテラシーの概念は、先行要件としてAbility to Read/ability to numeracyとHealth related experienceの2点を示した。属性として、reading skills/numeracy skills、Comprehension、Capacity to use health information in decision-makingの3点を示した。Ability to Read/ability to numeracyとは、話すことや計算ができるとし、書かれている文字や数字を、文字の大きさやフォントなどにかかわらず、単純に文字数字として読むことができることを示す。Health related experienceとは、現病歴を含むこれまでの病気や健康状態に関する経験、医療制度や医療福祉サービスに対する自身の思考の枠組みを示す。属性であるreading skills/numeracy skillsは、疾患や健康問題に関して書かれた情報について読みとる能力を示す。Comprehensionは、自分自身や自分の周囲の人や物事に関連する疾患や健康情報について理解する能力と示す。Capacity to use health information in decision-makingは、疾患や健康上における行動を決定する上で情報を活用する能力と示す。Successful functioning in the patient roleは、疾患や健康上の問題に対して、適切なヘルスリテラシーを持つ者として、健康問題を解決して、健康システムを取り扱い、成功裏に医療消費者の役割を果たし、状況を変えることに新しい情報を適用する能力であると示す。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 本研究の目的は、慢性心不全患者のヘルスリテラシーに基づく症状マネジメント評価尺度を作成することである。評価尺度作成のプロセスとして、①先行文献に基づき慢性心不全患者におけるヘルスリテラシーに基づいた症状マネジメントの概念を明らかにする。②①の結果及び著者がこれまで実施した慢性心不全患者のヘルスリテラシーの構成要素に関する因子探索型質的研究結果に基づき、質問紙の試案を作成する。③質問紙の内容妥当性、表面妥当性の検討後、尺度項目の精選を行う。④尺度の信頼性、妥当性を検討、の４段階を経る。現在、①および②の段階であり、初期の計画通りにおおむね順調に進展している。
Strategy for Future Research Activity	１．慢性心不全患者のヘルスリテラシー評価尺度原案の作成概念分析及び質的研究の結果に基づき、慢性心不全患者のヘルスリテラシー評価尺度原案を作成する。２．尺度原案の内容妥当性・表面妥当性に検証及び修正作成する尺度原案の内容妥当性と表面妥当性について、専門家と慢性心不全患者に対して調査を行う。１）専門家集団を対象に尺度原案の内容妥当性を検証する。内容妥当性の検証には、医師（循環器専門医）、看護師（慢性疾患看護専門看護師及び心不全認定看護師）、看護研究者の専門家を対象に行う。２）慢性心不全患者を対象に尺度原案の内容妥当性と表面妥当性を検証する。
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding	研究計画の進捗状況に合わせ平成２５年度旅費予算を平成２６年度旅費予算に活用するために次年度使用額が生じた。研究計画の進捗状況および研究費を効率的に使用するため平成２５年度旅費予算を平成２６年度に残額を研究計画遂行に使用する。