2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of nursing program for assistance to terminally ill cancer patients moving leaving acute care hospitals for their homes
Project/Area Number |
25862170
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
井上 菜穂美 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (00454306)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 終末期がん患者 / 退院支援 / 退院調整 / 急性期病院 / 遠隔看護 / 症状モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、急性期病院から在宅移行する終末期がん患者の安寧な療養生活を支援するための看護プログラムを開発することである。今年度は、在宅療養に移行する終末期がん患者を対象に看護プログラムを適用し、プログラムの効果を検証した。作成したプログラムは、個別対面セッションとタブレット型端末を用いた遠隔看護(テレナーシング)で構成した。効果の測定は、半構成面接法、質問紙調査法(MQOL日本語版、MDASI-J、研究者作成の「生活の満足度」および有用性・実用性に関する調査票)、記録調査法により実施した。 研究参加の同意が得られた8名のうち、3名は病状悪化により途中辞退し、プログラムを完遂した5名(男性4名、女性1名、平均年齢46.4歳)を分析対象とした。 データ分析の結果、対象者はさまざまな身体的苦痛、心理・社会的苦痛および日常生活上の困難を抱えながら在宅療養生活を送っていたが、【持続する緩和困難な身体症状】のように病状の進行とともに増大する苦痛が見られた一方で、メールやテレビ電話を活用したタイムリーかつ継続的な助言や励まし、保証等の介入により【医療者の指示を柔軟にとらえて身体症状の緩和を図る】などの効果的なコーピングを獲得し、介入終了時には改善が見られた苦痛もあった。同様に、心理的・社会的苦痛および日常生活上の困難においても、コーピングの獲得により改善が見られていた。また、介入前後でのMDASI-Jの症状スコア、生活の支障スコアはともに悪化傾向が見られたが、有意差は認められなかった。心理的側面、サポート側面のQOLスコアおよび生活の満足度は改善傾向が見られた。 本研究で開発したプログラムは、身体状態は悪化傾向にありながらも、効果的なコーピングの獲得により対象者の安寧な在宅療養生活を促進し、QOLの維持、生活の満足感をもたらしたことを示しており、一定の有効性が示されたと考えられた。
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