2013 Fiscal Year Research-status Report
携帯電話のリマインダーメールを利用した妊婦の未受診防止システムの開発
Project/Area Number |
25862190
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東田 有加 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20432487)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 妊婦 / 未受診 / 携帯電話 / リマインダーメール |
Research Abstract |
平成25年度は「妊娠・産褥期の自己健康管理を支援する携帯電話双方向通信システム」をA大学医学部附属病院で運用し、妊婦や褥婦のシステムへの受用度を確認した。「妊娠・産褥期の自己健康管理を支援する携帯電話双方向通信システム」とは、毎週土曜日14時に対象者の携帯電話にアンケートメールが自動送信されるシステムである。アンケートメールはリクルート時から産後8週目まで毎週送信され、対象者は受信したアンケートに過去1週間の自己健康管理の状況を回答し、返信する。対象施設の両親学級を受講した20歳以上の初産婦44名に研究説明を行い、28名(63.6%)から研究同意を得た。登録作業の過程でシステムエラーが出た者4名、ドメイン設定の解除を拒否した者3名を除く、21名(47.7%)がシステムへの登録を完了した。本報告では研究期間中に産後8週間が経過していない4名を除き、17名(38.6%)を分析対象とした。 対象者の平均年齢は32.5±6.7歳であった。対象者17名中、脱落者は3名(17.6%)であった。脱落者を除く14名に送信した全メール件数は205件で、そのうち返信があったのは144件(70.2%)であった。妊娠中アンケートの返信率は93件中74件(79.6%)、産褥用アンケートの返信率は112件中70件(62.5%)であった。携帯電話を用いた双方向通信システムに対する返信率には個人差があるが、脱落率は17.6%と低く、産褥期まで継続できるシステムであることが明らかとなった。またアンケートメール全体の返信率は70.2%であり、妊婦や褥婦のシステムへの受用度は高く、今後は他施設でのシステム運用も可能と考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の全体構想は、携帯電話のリマインダーメールを利用して定期的に妊婦に受診を促すプログラムを開発することで、最終的には妊婦の未受診を防止することを目指している。本研究では、携帯電話双方向通信システムを応用し、妊婦とのつながりを維持しながらリマインダーメールで受診を促すシステムを開発し、システム利用による未受診防止の効果を明らかにすることを目的としている。 当初の計画では、平成25年度は「妊娠・産褥期の自己健康管理を支援する携帯電話双方向通信システム」に対する妊婦や褥婦の受用度を確認した後、「リマインダーメールを利用した妊婦の未受診防止システム」を開発する予定であった。 しかし研究代表者は現在妊娠中であり、平成25年度に実施予定であったシステムの開発や、平成26年度に実施予定であったシステムの臨床運用の予定が一時中断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究代表者は、平成26年5月8日より産前休暇に入り、平成27年3月31日まで育児休暇を取得する。そのため、平成26年度は研究を一時中断し、平成27年4月より再開する。本研究は、平成25~27年度の3年間の研究計画であったが、研究期間延長申請を行い、平成28年度まで研究を延長する計画である。 平成27年4月より研究を再開し、妊婦に受診を促すリマインダーメールの内容検討とシステムの開発を行う。メール内容は、研究代表者と所属する研究室の教員・大学院生(助産師)、未受診妊婦を多く受け入れている対象施設の医師、助産師、ソーシャルワーカーと共に検討する。システムの開発は「妊娠・産褥期の自己健康管理を支援する携帯電話双方向通信システム」の開発を担当した(株)ノイエスに引き続き依頼する。システムの開発が完了次第、研究代表者の所属大学、および調査施設の倫理委員会に申請し、承認を得る。倫理委員会承認後、未受診妊婦の多発地域でのシステムの運用を行う。調査施設は、大阪府下で未受診妊婦の受け入れ件数が最も多い病院を予定している。対象者は、妊婦健康診査を受診した妊婦200名とする。リクルート方法は、妊婦健康診査の初診終了後に行い、同意の得られた対象者の携帯電話でシステムへの登録作業を行う。調査期間は、リクルート時~妊娠40週まで(妊婦から分娩済みの返信があればその時点で終了)とする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者が妊娠中のため研究の一時中断が予測され、平成25年度に開発予定であった「リマインダーメールを利用した妊婦の未受診防止システム」の開発を、平成27年度の研究再開後に開発することに計画変更となった。そのため、システム開発費の約60万円が次年度使用額として生じた。 今後の推進方策に記載した通り、平成26年度は研究者が出産に伴う休暇を取得するため、研究を中断する予定である。その後、1年間の研究期間の延長申請を行い、平成27年度より研究を再開し、平成25年度に使用予定であったシステム開発費(約60万円)を使用する計画である。
|