2014 Fiscal Year Research-status Report
妊婦の蓄積性化学物質曝露による分娩および新生児の健康影響の解明
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25862205
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西岡 笑子 神戸大学, 21, 准教授 (70550797)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 出生体重 / 胎児発育 / 妊娠 / 甲状腺刺激ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は妊娠中の母体血中の甲状腺ホルモンと出生体重との関連を明らかにした。 【背景・目的】甲状腺ホルモンは胎盤を通過し、胎児の発育、成長を促進する。本研究は、正常妊婦における妊娠初期から妊娠後期にかけての甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度の増加が出生時体重の決定因子となるか調査した。 【方法】病院産科外来を受診した妊娠初期の妊婦に対し、調査概要を口頭および書面を用いて説明し書面による同意を得た。対象者には、基本属性および生活習慣に関する自記式質問紙調査を行うとともに、妊娠12週、25週、36週の母体血の採取を行った。TSHの測定は電気化学発光免疫測定法により行った。本研究は、順天堂大学医学部附属順天堂医院病院倫理委員会の承認後に実施した。 【結果】163人の新生児のうち、10人(6.1%)は低出生体重児であった。FT3とFT4濃度は、正常体重児群と低出生体重児群は、全ての時期で同様の値であった。しかし、ΔTSH12-36Wの値は、正常体重児と比較し低出生体重児が有意に高かった。重回帰分析の結果、ΔTSHPW12-36は、出生時体重の低下と有意に関連していた。 【結論】正常妊娠において、妊娠初期から後期にかけての母体TSH濃度の増加は、出生時体重の独立した予測因子である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、妊娠初期のリクルートから産後1か月まで約10か月にわたる縦断調査であった。前課題(平成23-24年度)において、300名のリクルートを実施していた。本課題において調査を縦断して行い、2013年度中に約500名の縦断調査を実現することができた。収集した検体、調査票の集計については概ね分析を行うことができている。 平成26年度においては、調査対象者のうち結果を希望した約400名に対して、研究結果の報告も行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は他の測定項目と分娩アウトカムについても分析し、論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
平成25年度より研究者の所属が変更となり、研究打ち合わせのための旅費が必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は成果の公表のための費用が必要となる。
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Research Products
(2 results)