2013 Fiscal Year Research-status Report
産婦人科医療における性暴力被害直後の被害者への看護実践モデルの構築
Project/Area Number |
25862210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
家吉 望み 東京有明医療大学, 看護学部, 助教 (00582248)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 性暴力被害者支援 / 性暴力被害者支援看護師 / ワンストップセンター |
Research Abstract |
性暴力は、性感染症や望まない妊娠、人工妊娠中絶のような身体的、経済的、社会的にも被害者に影響を与えるだけでなく、心的外傷後ストレス障害の発症が高い。身体的、精神的な影響を考えると、医療機関が担う役割は大きいと考えられ、被害直後からの適切な支援は被害者の回復にも影響を及ぼすと言われている。今後、医療機関における支援を充実させていくためにも、具体的な看護師の対応モデルを構築し活動していく必要がある。 本研究の目的は、産婦人科医療における性暴力被害直後の被害者への看護師のケアの実際、産婦人科医師が期待する被害者支援時の看護師役割、性暴力被害者の望む被害直後の産婦人科医療を明らかにし、産婦人科医療における性暴力被害直後の被害者への看護実践モデルを構築することである。 本年度は、「性暴力被害者が被害直後の産婦人科医療に望むケア」について明らかにするために研究を行った。対象者は、研究協力の得られた性暴力被害経験のある女性である。国内の性暴力被害者支援団体または自助グループに研究協力依頼を行い、研究協力の得られた団体や施設において協力者を公募した。被害直後の産婦人科医療受診時に希望する支援についてインタビューガイドを作成し、半構造化インタビューを行った。逐語録を作成し質的記述的内容分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度の計画よりも遅れている。その理由として、インタビュー対象者の確保に時間を要したためである。計画では、性暴力被害者支援に関わる看護師、医師からのインタビューを予定していたが、性暴力被害当事者からへのインタビューを優先したためである。その理由として、当事者がどのように産婦人科の診察を受けるに至ったのか、医療者の実際のケアや対応を分析してから医療者へインタビューをした方がより研究目的に沿った内容になると判断したためである。しかし、対象者を性暴力被害直後に産婦人科医療を受診した経験を持つ者としたため、対象者の確保が難しい現状は続いている。よって、研究協力依頼施設や支援団体を拡大しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究推進方策は、性暴力被害当事者だけでなく、医療者へのインタビューを具体的に進めていくことである。 看護師の被害直後の性暴力被害者への看護ケア提供時の経験と、産婦人科医への被害直後の性暴力被害者支援の経験や具体的医療内容、看護師に求める役割を明らかにするために研究を進めていく。その為に、性暴力被害者支援に取り組んでいる医療機関を医中誌または専門雑誌等より抽出し、研究協力依頼を行い、研究協力の得られた医療機関の産婦人科医師や看護師を対象に、研究参加を依頼していく。インタビューガイドを作成し半構造化インタビューを行い、逐語録を作成し質的記述的内容分析を行っていく。同時に、当事者へのインタビューも同時に実施していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、性暴力被害当事者の研究協力者の確保が難航したため、予算計上していた旅費及び人件費・謝金が大きく残った。 次年度は、90万円を使用見込みである。医療者へのインタビューも開始していく予定であり、旅費や人件費・謝金の額が大幅に増大する。具体的には、インタビュー及び性暴力被害者支援の実際を調査するため旅費として60万円、研究協力者への謝金や研究補助への謝金に25万円、その他会議費や設備備品として5万円を使用予定である。
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