2014 Fiscal Year Research-status Report
一人暮らし高齢者の在宅療養生活を支える訪問看護モデルの構築
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25862218
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
辻村 真由子 千葉大学, 看護学研究科, 講師 (30514252)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 一人暮らし / 高齢者 / 訪問看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、一人暮らし高齢者の在宅療養生活を支える訪問看護モデルを構築することである。3年計画で行う本研究の2年目である平成26年度は、1)一人暮らし高齢者への訪問看護に関する国内外の文献レビューのまとめ、2)一人暮らし高齢者の在宅療養生活を可能にする要因と阻害する要因、家族による支援、訪問看護師の支援、多職種連携等についての海外現地調査、3)訪問看護を利用している一人暮らし高齢者の実態および、一人暮らし高齢者への支援を時期別に尋ねる質問紙の精錬を行った。 文献検討の結果をもとに、一人暮らし高齢者のエンド・オブ・ライフケア、一人暮らしの認知症者に対する訪問看護に関して、知見をまとめた。これらを通して、日本における一人暮らし高齢者の特徴、生活上の課題、フォーマルサポート・インフォーマルサポートのあり方について明らかにした。関連学会での情報収集により、本研究課題は法律家、建築家など、多分野の研究者・実践者との協働が必要であることが明確になった。 また、昨年度に引き続き、フィンランドとイギリスにおける一人暮らし高齢者が住み慣れた地域で生活することを可能とする在宅ケアチームの活動および家族支援に関するインタビュー調査を行った。対象者は、高齢者ケアにかかわる医師・看護職、高齢者ケア専門職養成機関の教員、高齢者介護家族であった。なお、昨年度のフィンランドでの現地調査については、学会発表を行った。 上記の調査結果から、訪問看護を利用している一人暮らし高齢者の実態および、一人暮らし高齢者への支援を時期別に尋ねる質問紙調査票の精錬を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は、訪問看護を利用している一人暮らし高齢者の実態および、一人暮らし高齢者への支援を時期別(在宅移行期、安定期、終末期、臨死期)に尋ねる質問紙調査を実施し、訪問看護師と介護支援専門員へのインタビュー調査を予定していたが、質問紙の精錬までとなった。その理由は、フィンランドにおける高齢者介護家族へのインタビュー調査を追加したこと、住まいや経済的問題などより広範な視点を含めて一人暮らし高齢者の生活を捉えていく必要性があることが情報収集の過程で明確になり、調査票の設計を再検討したことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査の実施および分析、次段階の一人暮らし高齢者への支援を明らかにするための訪問看護師と介護支援専門員を一組としたインタビュー調査の実施、一人暮らし高齢者の在宅療養生活を支える訪問看護モデル案を検討するエキスパートパネルを効率的に行う。具体的には対象候補者のリスト作成を早期に行い、研究補助者の協力を適宜得ながら、データ収集・分析を迅速に進める。
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Causes of Carryover |
訪問看護を利用している一人暮らし高齢者の実態と支援を明らかにする質問紙調査、一人暮らし高齢者への支援を明らかにするための訪問看護師と介護支援専門員へのインタビュー調査の実施が遅れたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
訪問看護を利用している一人暮らし高齢者の実態と支援を明らかにする質問紙調査、一人暮らし高齢者への支援を明らかにするための訪問看護師と介護支援専門員へのインタビュー調査、一人暮らし高齢者の在宅療養生活を支える訪問看護モデル案を検討するエキスパートパネルの実施に用いる。 質問紙調査の発送・回収およびデータ入力のための、印刷費、封筒購入費、郵送費、人件費、インタビュー調査における交通費、研究協力謝金、テープ起こし、エキスパートパネルにおける交通費、研究協力謝金、テープ起こし、会場借料などに使用する予定である。
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