2017 Fiscal Year Annual Research Report
Predictors for end-of-life in lung and digestive cancer patients based on clinical course to provide more seamless care
Project/Area Number |
25862226
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
熊谷 有記 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10382433)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 在宅看護 / ターミナルケア / ライフタイム予測項目 |
Outline of Annual Research Achievements |
終末期がん患者の生活の質を高めるには,病院からの退院調整時と入院調整時における継ぎ目のないシームレスケアが不可欠である。本研究では,病院と在宅間のシームレスケアに役立つ終末期がん患者の余命(ライフタイム)の予測項目を,臨床経過をもとに検討した。対象は,肺がん患者10名,消化器がん患者17名である。これらの患者の訪問看護記録延べ322回を分析した。その結果,ライフタイム予測項目として肺がんと消化器がん患者で共通するライフタイム予測項目として呼吸回数・収縮期血圧・ショック指数・声かけに反応なし・昏睡を見出した。昏睡の出現頻度は,肺がん患者と消化器がん患者とも最期の3日前後に増加した。一方,呼吸回数,収縮期血圧,ショック指数および声かけに反応なしの出現頻度は,肺がん患者では最期の7日前後に高くなったのに対して,消化器がん患者では最期の3日前後に高くなった。SpO2値と体温は,肺がん患者のみのライフタイム予測項目となった。SpO2値の出現頻度は最期の7日前後,体温の出現頻度は最期の3日前後に高くなった。 本研究で明らかにしたライフタイム予測項目(呼吸回数,収縮期血圧,ショック指数,声かけに反応なし,昏睡,SpO2値,体温)は,療養場所に関わらず,患者のケアの中で身体的・経済的負担をかけずに,容易に判断できるものである。今回取り上げたショック指数についての報告は,筆者が知る限り,終末期がん患者においては,入院中の患者を対象とした1件のみである。 上記した終末期肺がんおよび消化器がん患者のライフタイム予測項目をシームレスケアに活用することで,患者と家族が希望する場所で最期を過ごすことが可能になると考える。
|
Research Products
(1 results)