2013 Fiscal Year Research-status Report
子どもの心の回復に向けたアニマル・セラピーの構築-乗馬療法の効果と看護の解明
Project/Area Number |
25862227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
大西 奈美子 (河村 奈美子) 大分大学, 医学部, 准教授 (50344560)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護学 / 臨床 / 医療・福祉 / 動物 / 子ども |
Research Abstract |
本研究では、動物を媒介にしたコミュニケーションの発展や生活の回復には、対象者のコミュニケーションを活性化させる医療者(看護者)やボランティアが重要な役割を果たしていることについて、これまでの研究から見えてきた。しかし、その場に寄り添う医療者の重要な役割の詳細についてまで明確にできていない。そのため、精神的不調をもつ子どもの心の回復とコミュニケーションの発展を支援する医療者の役割について、乗馬療法の場面において明らかにすることを目的としている。 本年度は国内外の情報収集を実施し、また研究協力施設への依頼ののち、対象者を決定し乗馬療法の実施とデータ収集を開始する予定としていた。新規に乗馬療法を開始する対象者が少ない状況や、対象者の疾患や特徴・年齢や対応などの個別性が大きいことから、対象者の選定や研究協力施設の変更について再検討した。 まずは、子どもの活動における精神的評価やQOLの評価方法について情報収集を行った。また、国内において、既に発達障がいを有する子どもを対象に乗馬療法を実施している2施設、その他乗馬療法を実施している施設を訪問し、具体的方法や評価、工夫等について情報を収集した。 同時に、本研究が子どもを対象としているため、観察の頻度を増やしたり、データ収集の便宜性から当初予定していた施設よりも近隣のデイケアに協力を依頼するなどの可能性についても検討し施設と調整をはかった。データ収集の開始は26年度より進められるよう準備を調整している状況である。同時に動物を活用した心理的な評価を試みている資料は少ないため、文献検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
乗馬療法の対象者が子どもであることから、観察の頻度を考慮し近隣の施設での乗馬療法の実施の可能性を検討した。新規の研究協力施設との調整をはかり、研究協力者との打ち合わせを実施した。対象施設では12月に施設の増設があったので、これによる利用者の居場所・スタッフへの影響を考慮し、乗馬療法の開始は延期した。そのため、データ収集についてはやや遅れる状況となり、本年度は乗馬療法実施施設の情報収集、文献検討、実施のための打ち合わせを中心に進めたため。
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Strategy for Future Research Activity |
乗馬療法の実施と対象者の影響やコミュニケーションの発展に関する観察を継続的に開始する予定である。実際には利用する子どもの主観的評価と、やりとりの観察を継続的に実施して評価を試みる。それに向けて、倫理審査の承認等の準備を進める。 また、乗馬療法による心理的影響に関して文献検討を継続する予定である。 さらに、乗馬療法に携わる医療関係者へインタビューを実施し、感じている対象者の効果や変化、コミュニケーションへの影響、またその支援と課題について検討する。
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