2016 Fiscal Year Research-status Report
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25862237
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
松谷 ひろみ 島根県立大学, 看護学部, 助教 (10642655)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 精神障がい者 / エンパワメント / 農福医連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、精神障がい者が園芸作業および農作業を通して育まれた就労に関するエンパワメントならびに精神障がい者の精神情緒状態を把握するためのツールについて検討することである。 平成28年度は、前年度までに得たデータをもとに、農福“医”連携プログラム案を作成した。プログラム案として、『①自己効力感が高められること』、『②将来起こりうることが予期できること』、『③他者への関心が向くこと』、の3点が精神障がい者の就労をしていくために必要となる核であると考えられた。それらの核をもとに、就労継続支援B型事業所において利用者の支援・指導に当たっているスタッフとともに、効果的なかかわり方や精神障がい者の変化についての振り返りを定期的におこない、プログラム案の検討を進めている。 また、就労継続支援B型事業所に通所し、事業所において農作業を行っている20~60代の精神障害者13名(男性11名、女性2名)を対象として、就労支援を受けながら就労している精神障がい者が就労を継続するために必要なエンパワメントを明らかにするためデータ収集を行った。データ収集方法として、対象者への半構成的インタビュー、農作業中の事業所の様子について参加観察を行った。データ分析は平成29年度に実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では、精神障がい者へのデータ収集としてフォーカス・グループ・インタビュー(以下FGI)を予定していたが、対象者の疾患による対人関係の不安定さや事業所の勤務時間などの関係からFGIの実施は難しく、個人への半構成的インタビューへ変更した。変更に伴い、インタビューの際は対象者の語りを引き出すようインタビュアーが留意して行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、平成28年度と同様にスタッフとの定期的な振り返り、精神障がい者の参加観察を実施する。収集したデータを分析し、農作業を通して育まれた就労継続に関するエンパワメントとエンパワメントを促進させる関わり方のコツを明らかにする。その上で、農福“医”連携プログラム案について検討し、完成させる。年度後半は、得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、調査データの入力を研究者本人が行ったことから、予定していた人件費・謝金を支出することがなかった。また、研究の成果発表については、学会雑誌への投稿としたため、予定していた学会参加に伴う旅費の支出も発生しなかった。なお、現在学会雑誌へ投稿中である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、データ収集・分析を進めるための人件費・謝金、および、雑誌の投稿料などのその他経費を中心に研究費を使用する予定である。
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