2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の脱水状態を簡便にアセスメントする方法の開発
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25862242
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
仲前 美由紀 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (40434675)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脱水状態 / 体内水分量 / 皮膚油水分 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,脱水状態に陥りやすい高齢者を対象に脱水状態を早期にアセスメントできる有効な部位を検討すること,脱水状態を簡便かつ客観的にアセスメントする方法の開発を目的としている。今年度は本研究に関連した研究成果である「若年者と高齢者における体格の変化と細胞内液・外液量と易脱水状態の特徴」を公表した。この研究結果では,体格ではBMIは若年者と前期高齢者(p<0.001),若年者と後期高齢者(p<0.001)に有意な差がみられ,体脂肪率は若年者と前期高齢者(p<0.01),若年者と後期高齢者(p<0.05)に有意な差がみられた。細胞内液量は若年者と前期高齢者(p<0.001),若年者と後期高齢者(p<0.001),前期高齢者と後期高齢者(p<0.001)に有意な差がみられ,細胞外液量は若年者と前期高齢者(p<0.01)に有意な差がみられた。これらの結果から細胞外液量は加齢に影響されにくいため比較的保持できることに対し,細胞内液量は加齢に伴い減少するという先行研究と同様の結果を得た。特に後期高齢者はわずかな水分摂取不足でも脱水に陥りやすい可能性があることの示唆を得た。若年者と高齢者の体格と体内水分量から高齢者は容易に易脱水状態に陥りやすいことが示され,脱水状態を早期に簡便かつ客観的にアセスメントする方法を開発することは意義がある。本研究では,自立した高齢者と軽費老人ホームで生活している高齢者を対象に皮膚油水分(両側の腋窩,両側の肘関節内側,両側の手首内側,両側の内踝,後頚部)の測定を実施しており,体内水分量を含めた分析をすすめ,研究結果を公表する準備をすすめていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は研究成果を分析し,研究成果を発表する予定であったが,親の介護ならびに目前の教育業務が多忙であり,当初の計画より大幅な遅れが生じた。次年度は,研究成果の分析をすすめ,研究成果の発表準備をすすめていく。また研究継続のための情報収集ならびにデータ協力施設への依頼の準備をすすめる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究成果を公表するための準備を行い,学会発表する予定としている。また研究継続のための情報収集ならびにデータ収集に協力していただける施設への依頼の準備をすすめ,研究を継続していく環境を整える予定である。
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Causes of Carryover |
目前の教育業務が多忙であったこと,ならびに親の介護等で研究計画に遅れが生じたため,適切な予算執行ができなかった。予算については,協力していただいた研究協力者への説明のための機器類等を購入していく予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果発表のための学会参加費ならびに旅費,研究打合せ,研究協力者への説明のためのプロジェクターなどの機器類を購入し,適切に使用する。
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