2014 Fiscal Year Research-status Report
高齢患者のせん妄を予防するための認知機能を保持するケアプロトコールの開発
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25862243
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
菅原 峰子 北里大学, 看護学部, 講師 (70398353)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢患者 / せん妄 / 認知機能 / ケアプロトコール |
Outline of Annual Research Achievements |
せん妄は高齢患者に出現しやすい一過性の意識障害である。せん妄が出現することで治療や看護ケアの実施が困難となるため、高齢患者の不利益につながる事象といえる。せん妄の要因は身体的、心理社会的要因と多岐にわたるが、これまでの研究においてせん妄の予防には認知機能へのアプローチが有効といわれている。 本研究は、看護師が日々のケアの中で高齢患者の認知機能を保持するケアを実施していくための実践的なケアプロトコールを開発するものである。平成25年度に行った認知機能を保持するケアプロトコールの原案作成のための文献検討をもとにしたケアプロトコールの原案を完成させた。それをもって研究計画書を作成した。高齢患者へ対する介入は、リアリティーオリエンテーションに基づく認知機能への関わりを中心とする。そして、その関わりを有効なものとするため、介入開始時に認知機能および視聴覚機能の簡易チェックを行い、その情報に基づき環境と活動と休息の適正化を行う。せん妄と高齢者のアセスメント、コミュニケーション方法をより理解した介入を行うため、介入を実施する看護師とのせん妄の勉強会を事前に実施することも介入計画に含めた。これにより、介入の信頼性の担保につながるものと考える。また、勉強会を経ることで協力病棟の状況により適したものになり介入内容を充実させ、実施率の向上が期待できる。介入の効果をみるためには、高齢患者のせん妄状態の様相を測定することとした。さらにケアプロトコールの実践への適用をみるためにケアプロトコールを実施した看護師のせん妄への認識の変化、ケアプロトコールの実務への負担度を評価することとした。これらに並行して調査研究の遂行にむけて研究協力の場のリクルートを行い、協力病棟を得た。それに続き、本学部の研究倫理審査を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の立案、学内における研究倫理審査の申請と承認までは実施できたが、大学の教育に関する業務と日程調整がつかず研究協力施設の倫理審査委員会への申請をこれから行う段階にあるため、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、研究協力施設において実際にケアプロトコールを実施する調査研究を行う。高齢患者のせん妄状態の様相とケアプロトコールを実施する看護師のせん妄に関する認識とケアプロトコール遵守の状況を調査していく。病棟での実施のため、新入職員や異動職員の多い時期などの繁盛期を避けるなど、病棟の状況を研究協力者と連絡調整をはかりながら実施する。
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Causes of Carryover |
平成26年度は研究の進捗状況がやや遅れているため、調査研究遂行にかかる経費、調査研究結果の報告にかかる経費が残ることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は調査研究を実施するため、それにかかる物品費、旅費、人件費・謝金を執行する予定である。また、調査結果の公表のため学会発表などにかかる経費を執行する。
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