2016 Fiscal Year Annual Research Report
Care protocol preserving cognitive function for the prevention of delirium in elderly patients
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25862243
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
菅原 峰子 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (70398353)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / せん妄 / 認知機能 / ケアプロトコール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はせん妄予防にむけた認知機能を保持するケアプロトコールを作成し、その評価として介入効果と実務への負担を明らかにするものである。平成28年度は27年度に実施した調査の分析を行った。ケアプロトコールは認知機能、視聴覚機能の簡易チェック、リアリティーオリエンテーション(以下RO)を基にした介入が中心であった。介入効果は、基準に該当する高齢者に本ケアプロトコールを実施し、日本語版NEECHAM混乱・錯乱スケール(以下、J-NCS)を使用してせん妄状態の変化をみた。 分析対象者は80歳代の男性、2名は高齢であり、せん妄のリスクが高い群に属するといえるであった。ベースラインにおいて認知機能、視聴覚機能に著しい低下はなかった。介入期間中、本ケアプロトコールの内容は、対象者のケアを担当する看護師によって概ね実施されていた。入院時の簡易チェックから、日常生活への支障は少なかったが軽度の認知機能低下があるようだった。病日1日目のJ-NCS得点はせん妄状態には至っていなかったが、その危険がある状態であった。しかし、両ケースともにJ-NCS得点がせん妄状態であることを示す24点以下となることはなかった。また、認知・情報処理を評価するSubscale1の得点低下はみられなかった。 次にケアプロトコールのプロセス評価として、看護師の本プロトコールに対する評価を調査した。本プロトコールを実施するにあたり、協力病棟の看護師は1回約15分の4回シリーズの勉強会に参加してもらった。回答を得た看護師12名を分析対象者とした。本プロトコールの内容は、看護の基本的な観察、技術に基づくものであったため、看護師が難しいと感じることは少なかったようだ。しかし、業務への適用については負担感を感じる者がおり、今後、対象患者の選定やケア方法の精選が必要であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)