2013 Fiscal Year Research-status Report
精神科病院における自殺予防プログラムの開発とその評価-自殺が起きた場合を含めて-
Project/Area Number |
25862246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小山 達也 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (90408568)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自殺 / 看護師 / 精神科 |
Research Abstract |
本年度の課題は、質問紙調査を用いて精神科病院に勤務する看護師の自殺の判断や態度に関連する要因を明らかにすることと、「自殺予防プログラム―自殺が起きた場合の対応を含めて―」の検討を行うであった。 関連要因の検討として、病院における自殺看護のカテゴリーとして「自殺アセスメント方法の検討」「自殺に対する看護師の態度」「救急外来や救命救急センターでの自殺未遂者の看護」「うつ状態にある患者の看護」「自殺に遭遇した看護師の支援」「家族の自殺を体験した患者の看護」「院外組織との連携活動」が明らかとなった。 プログラムの開発に関連して、看護師に対する自殺予防教育プログラムの検討では、自殺リスクのアセスメントトレーニングの経験、大うつ病や自殺サインの講義、リフレクション学習サイクルを利用した教育プログラム、精神科看護師への自殺の生物・力動的特徴、精神看護、心理学的剖検、倫理的問題等の各テーマの講義と議論などが行われていることが明らかとなった。 しかしプログラムは、医療者全般に向けたプログラムであり、看護師の特性や精神科病院で働く看護師の特性に合わせた講義内容に焦点を当てたプログラムを検討中である。これまでの自殺予防プログラムは、プログラムの内容妥当性が十分に検討されているものが少なく、精神科で働く看護師のための自殺予防プログラムの開発手順にデルファイ法等の手法を利用し、プログラムの妥当性を確保できるように検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自殺予防に必要な精神科看護師の能力の特定と使用する尺度の検討に時間がかかっているため、やや進捗が遅れている。精神科看護師を含めた看護師の自殺予防に関する能力を測定する尺度がなく、自殺に対する態度や自殺介入スキル等の検討から、判断や対応力を含んだスキル尺度を利用することを検討している。看護師を含めた医療者への尺度の利用はあるが、精神科で働く看護師への能力を測定するのに妥当性があるかを検討している。尺度の選定は、プログラムの実施・評価にも影響するため検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
精神科で働く看護師が、自殺予防に必要な能力を学習できる内容と方法論を提示し、デルファイ法等の方法論を利用しながら、妥当性のあるプログラム開発を行っていく。そのために自殺予防に精通した看護師等を選定し、研究協力依頼を行っていく。プログラム検討後、実際に自殺予防プログラムを精神科で働く看護師に実施するため、実施のスケジュールや準備を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
精神科に勤務する看護師の調査に関する費用が26年度に使用されるために、予定より使用額が減少していた。 看護師への調査を次年度調査で実施するとともに、妥当性のあるプログラム開発を行うために研究費を使用し、調査を実施していく。
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Research Products
(1 results)