2014 Fiscal Year Research-status Report
精神科看護における曖昧さの概念構築と曖昧さと向き合う方略に関する研究
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25862249
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
五十嵐 慎治 豊橋創造大学, 保健医療学部, 助教 (70610393)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 曖昧さへの態度 / 情動知能 / うつ / バーンアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、メンタルヘルスと関連のある曖昧さ耐性(Ambiguity Tolerance:以下AT)という概念を、曖昧と言われる精神科臨床の現象から捉え、①精神科看護師における曖昧さへの態度と精神的健康の実態を把握すること②精神科看護師の主観的体験を基に、曖昧さの認知、感情、対処といった特徴を明らかにし、精神科看護に即した概念を構築すること③適正に曖昧さと向き合うための具体的方略の確立に向けて示唆を得ることである。 初年度は、既存尺度を基に質問紙を作成し、精神科看護師の曖昧さへの態度と精神的健康度に関する実態調査を実施する計画であったが、概念整理、研究指導者との連携困難が生じたことにより、研究への取りかかりが大幅に遅れてしまった。 2年目では、予定通り質問紙調査を実施した。調査票は、曖昧さへの態度尺度、情動知能に関する尺度 (J-WEIS)、うつに関する尺度 (CES-D)、バーンアウトに関する尺度 (日本版MBI-GS)をもって構成し、愛知県精神科病院協会の会員施設41施設に、郵送にて調査協力依頼を行なった。そこで、承諾が得られた4施設に対して、調査目的と倫理的配慮の内容を明示した調査協力依頼文書、質問紙、返信用封筒を必要部数分持参し、看護部の責任者経由にて対象者に配布した。計534部の質問紙を配布し、350部の返信があった(回収率:65.5%)。男性69名(19.8%)、女性280名(80.2%)で、平均年齢±標準偏差は、47.8±10.8歳(range 20-73)であった。現在、データ解析を行っており、並行して、自由記述から得られたデータを基にインタビューガイドを検討している。またインタビュー調査に向け、倫理審査委員会への申請準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究で扱う曖昧さ耐性やメンタルヘルスといった概念定義が多様であり、整理に時間を要してしまったこと、研究指導者との連携困難が生じたことで、初年度から大幅に遅延してしまったが、それ以降の調査並びにその準備に関しては、概ね予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、アンケート調査のデータ解析ならびにインタビューガイドを6月までに作成する。その後、倫理審査委員会への申請、承認後、インタビュー調査を実施していく。併せて、最終目的である適正に曖昧さと向き合うための具体的方略の確立に向けて、協力してもらう精神科臨床の看護師と連絡調整を図っていく。
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Causes of Carryover |
年度の終盤にかけアンケートの返信を待ち、データ入力時期が年度の変わり目と重なったため。(すでにデータ入力にかかる人件費として使用している。)
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として、研究打ち合わせのプレゼン及び発表で用いるレーザーポインター、ソフト使用方法に関する講習会参加のための費用、研究参加者への謝礼、データ入力等にかかる人件費などに研究費を使用する。また、研究成果の公表にあたり、本年度後半には結果をまとめ学会発表を行う予定であり、そのための研究旅費や、研究論文作成における英文校正費を主な支出として予定している。
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